アフリカ大陸最南端にしかないというプディングを探し求めて、ケープタウンのパティスリーに突撃取材!【“旅するパティシエ”世界一周!郷土菓子レッスンの旅】

世界一周!郷土菓子レッスンの旅 in 南アフリカ

こんにちは! 2016年から世界の郷土菓子を巡る旅に出た、“旅するパティシエ”鈴木あやです。

目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中で現地の人々から郷土菓子レッスンを受けながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、立体的にその地域の魅力を発信していきます。

……さて、そんな“旅するパティシエ”ですが、前回はエルサレムでの郷土菓子レッスンの様子をレポートしました。

そして11回目となる今回は、【南アフリカの郷土菓子】ストーリーをお届けします!

南アフリカってどんな国?

アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカ共和国、通称・南アフリカ。

「人類のゆりかご」とも言われる南アフリカは、アウストラロピテクスやホモ・ナレディと呼ばれる初期人類の化石などが発見されていることから、人類発祥の地と考えられています。

17世紀にポルトガルが喜望峰に到達したことを皮切りに、豊富な天然資源や希少な動植物を求めて、オランダやイギリスを中心とするヨーロッパの勢力が入植。

以降、世界的に知られる人種差別的政策「アパルトヘイト」など、原住民と移民との間で起こった数々の問題を乗り越えながら、今も黒人・白人・カラードとよばれる混血の人々らが、共存を模索し続けています。

南アフリカならではの郷土菓子って?

アフリカ原住民はもちろんのこと、ポルトガル・オランダ・イギリスからの入植者、さらにはマレー系やインド系の移民など、世界有数の多人種・多民族国家の南アフリカは、食文化も多彩です。

私が実際に南アフリカを旅した限りでは、お菓子に関しては西洋から伝わったもの、またはそれらにアレンジが加えられたものが、広く浸透しているように見受けられました。

なかでも特に目立ったのは「プディング(Pudding)」。

南アフリカをはじめとするイギリス連邦の国々では、イギリス発祥のプディング(“蒸し料理”の総称)が、各地でそのカタチを少しずつ変えながら、独自の郷土料理・郷土菓子として定着しています。

例えば、中米・ジャマイカ。

サツマイモとヤムイモをベースにした「ポテト・プディング(Potato Pudding)」は、今やジャマイカを代表する郷土菓子です。

ちなみにこのポテト・プディングは、ジャマイカで、現地の方と一緒に作ることに成功しました!

そして、ここ南アフリカでもやはり「プディング」は独自の発展を遂げ、そして今やこの国の郷土菓子として定着しているのが「マルヴァ・プディング(Malva Pudding)」なのだそうです。

そもそも南アフリカに、パティスリーってあるの?

マルヴァ・プディングを、どうにか現地の方と一緒に作らせてもらうチャンスはないものかと、ヨハネブルグから南アフリカ縦断の旅を続けてきましたが・・・

・・・まったくと言っていいほどチャンスのないまま、ついに最南端のケープタウンまで辿り着いてしまいました…!

というのも、私が確認した限りでは、そもそもパティスリーらしいパティスリーを見かけることすら、ほとんどなかったのです。

しかし、それもそのはず。地元の人々の様子を観察していると、ポテトチップスをはじめとするジャンクなスナックが、圧倒的な人気を誇っているようなのです(経済的な問題も大きく影響していると思われますが…)。

それはそれで現実なので悩ましいところですが、いずれにせよひたすら歩いて、自分が求めているものを探すしか術はなく……あてもなくケープタウンの街を隅から隅まで探索します。

すると、ここまでの約2カ月に及ぶアフリカの旅の中で、見たこともないような立派なパティスリーを発見!

「スパー」

  • 場所:南アフリカ  ケープタウン(27 Somerset road, Western Cape, Greenpoint, Cape Town, South Africa)

ショーケースには、見た目からも、しっかりと作り込まれていることがよくわかるスイーツが、ずらりと並んでいます。

そして、お目当てのマルヴァ・プディングも、確かに発見することができました!

ケープタウンで、アポなし突撃取材!

このチャンスを逃す手はないと、「このお菓子が作られている現場を見せてほしい!そしてできることなら、一緒にマルヴァ・プディング作らせてほしい!」…と、すかさず店員さんに取材をお願いします。

これまでこういったお願いを各国のパティスリーでしてきて、当然はじめはかなり警戒されるし、そしてそれにはもう随分慣れてしまったのだけど・・・

・・・こちらの店員さんは、あっという間にオーナーにまで話しを通してくれて、OKを頂くことができました!

ここまで南アフリカを旅してきて、特に黒人の方々と接してきて感じたのは、とっても陽気な国民性だということ。その例に漏れず、終始明るく、気持ち良く受け入れてくれた彼女の人懐っこさや懐の深さには、感謝すると共に、思わずうらやましさすら覚えました。

北アフリカを除いて、そもそも郷土菓子自体が多く存在するわけではないアフリカで、半ば諦めかけていた、南アフリカでの郷土菓子レッスン。

ただ旅するだけでも、身心共に相当なタフさが求められるアフリカですが、ここまで粘って旅を続けて本当によかったと、しみじみ感じる、ケープタウンでの出会いとなりました。

この続きは、レシピと共に後編でお届けします♪

“旅するパティシエ” 鈴木あや

広尾のパティスリー、ペニンシュラホテルのフレンチレストランなどで修行を積んだ後、会員制レストランにてシェフパティシエに就任。「国と国、人と人とをつ なぐスイーツ・ストーリーテラー」になることを目指し、2016年1月から各地の郷土菓子を発掘する世界一周の旅に出発。

●ウェブサイト

誰のごはんを食べに行く?