スイーツ大国・ポルトガルで突撃取材! 郷土菓子の故郷、テントゥガル村を旅しました♪【“旅するパティシエ”世界一周!郷土菓子レッスンの旅】

世界一周!郷土菓子レッスンの旅 in ポルトガル

こんにちは! 2016年から世界の郷土菓子を巡る旅に出た、“旅するパティシエ”鈴木あやです。

目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中で現地の人々から郷土菓子レッスンを受けながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、立体的にその地域の魅力を発信していきます。

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……さて、そんな“旅するパティシエ”ですが、前回はジャマイカでの郷土菓子レッスンの様子をレポートしました。

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そして7回目となる今回は、【ポルトガルの郷土菓子】ストーリーをお届けします!

ポルトガルって、どんな国??

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西ヨーロッパはイベリア半島に位置する、ユーラシア大陸最西端の国・ポルトガル共和国。

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15世紀半ばから17世紀半ばまで続いた大航海時代を牽引し、かつては海洋帝国としてその名を世界中に轟かせた国です。

ヨーロッパの中では最も早く、東アジアと海路での接触を持った国とされ、16~17世紀の日本には、貿易を通じて様々なポルトガル文化が伝わりました。

ポルトガルならではの郷土菓子って?

その中の一つが、いわゆる“南蛮菓子”といわれた、ポルトガルのお菓子文化。

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今ではすっかり和菓子として定着しているものの中には、金平糖カステラなど、ポルトガルから伝わった“南蛮菓子”にそのルーツを持つものも少なくありません。(写真は、金平糖の原型であるコンフェイトというお菓子)

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そんな、私たちの食文化にも多大な影響を与えたポルトガルのお菓子ですが、その多くは元々、修道院で誕生したということをご存知ですか?

ポルトガルではかつて、修道士となるための支度金の代わりに、鳥や卵を教会に納める習慣がありました。そういった背景もあり、中世の修道院ではなんと、僧服やシーツの糊付けに大量の卵白が利用されていたのだとか!

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その中で、副産物の卵黄も捨てずに活用しようとする動きが生まれ、卵黄を使ったお菓子作りの文化が修道院で育っていった……というわけなのでした。

さらに、大航海時代のポルトガルの繁栄の中にあって、修道院も莫大な富を得ることとなり、それによってイスラム地域からもたらされた貴重な砂糖も贅沢に使うことができたため、この時代に多くのお菓子が誕生することとなったのだそうです。

パリパリ食感が人気の「パスティシュ・デ・テントゥガル」

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そんなポルトガルの郷土菓子の中で、私が最も注目したものの一つが、こちらの「パスティシュ・デ・テントゥガル(Pasteis de  Tentúgal)」

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「ドーシュ・デ・オボシュ(Doce de Ovos)」というポルトガル特有の卵黄クリームを、生地で包んで焼き上げたお菓子です。

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このお菓子の最大の魅力は、パリパリとした食感が楽しめる、トレーシングペーパーのように薄く何重にも重なった生地。フランス料理などにもよく使われる、「パート・フィロ(Pate Filo)」なのです。

元々フランス菓子のパティシエである私は、すっかりこの生地のおいしさに虜になってしまい、「パスティシュ・デ・テントゥガル」が誕生したという村まで行ってみることにしました!

郷土菓子が生まれた、ポルトガルの小さな村へ♪

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「パスティシュ・デ・テントゥガル」が生まれたのは、ポルトガル中部にある小さな村、テントゥガル。そう、このお菓子の名前はつまり、「テントゥガル村のお菓子」…という意味なのですね。

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ポルトガルの首都・リスボンからは、長距離バスで約2時間、まずはポルトガルの第三の都市・コインブラを目指します。

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そこからさらに、市バスに乗って約40分……ようやくテントゥガル村に到着です!

のどかなのは良いけど、あまりに人気(ひとけ)がなくて、どこに行けば本場の「パスティシュ・デ・テントゥガル」に出会えるのか全くわかりません!苦笑

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雨も降ってきてしまい、気持ちだけ焦る中、時折姿を見せる村人に質問をしながら、さまようこと約1時間……

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たどり着いたのは、村のはずれにある一軒のパティスリー。中に入ってみると、先ほどの閑散とした村の様子がウソだったかのような盛況ぶり!

a15dsc_0157_filtered「モンテ・カルメロ(MONTE CARMELO)」

  • 場所:ポルトガル テントゥガル(Rua da Doçaria Conventual, Estrada Nacional N.º111, 3140-563 Tentúgal, Portugal)

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ここにはきっと、地元の人々も認める本物の「パスティシュ・デ・テントゥガル」があるに違いないと確信した私は、すかさずシェフに「作っている現場を見せてほしい! そして、できることなら一緒に作らせてほしい!」……とお願いに。

すると、この村の郷土菓子を求めて遥々やって来たことをとても喜んでくれて、なんと特別に厨房に招き入れてくれたのです!

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しかし、そこで待ち受けていたのは、想像絶する奇妙な光景! 大きな白い部屋に、大きな白い生地……一体これは!?

この続きは、レシピと共に後編でお届けします♪

“旅するパティシエ” 鈴木あや

広尾のパティスリー、ペニンシュラホテルのフレンチレストランなどで修行を積んだ後、会員制レストランにてシェフパティシエに就任。「国と国、人と人とをつ なぐスイーツ・ストーリーテラー」になることを目指し、2016年1月から各地の郷土菓子を発掘する世界一周の旅に出発。

●ウェブサイト
旅するパティシエ, 旅する本屋