連載「世界一周!郷土菓子レッスンの旅」がスタート!
はじめまして! “旅するパティシエ” 鈴木あやです。2016年1月から、世界の郷土菓子を巡る旅に出発します。
目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中の郷土菓子を発掘しながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、その地域の価値を立体的に学んできます!
……とはいえ、出発前には準備が必要!ということで、年内はKitchHikeを利用しながら、日本に住む外国人COOKの元へと訪ねて「予習」をします♪
記念すべき第1回目は、【ジャマイカの郷土菓子】。
ジャマイカへは実際に、来年2月に訪ねることを予定しています!
ジャマイカって、どんな国??

ジャマイカといわれて真っ先に思い浮かべるのは、なんといっても“レゲエの神様” ボブ・マーリー!彼の歌にもあるように、中央アメリカのカリブ海に浮かぶ小さな島国 (なんと秋田県とほぼ同じ面積!) ながら、そのルーツは遠いアフリカにあります。
探検家・コロンブスがジャマイカに辿り着いたのが1494年。その後1509年にスペインによって征服され、労働力としてアフリカから多くの黒人奴隷が連れて来られました。1655年にはスペインからイギリスによる支配に代わり、この国の不遇の時代はさらに長く続くことに……。
しかし、1838年に奴隷制度が廃止、1962年にはイギリスによる植民地支配から独立を果たしました。そして現在まで、中米にありながらアフリカ文化をベースとした、独自の文化が息づく国となったのだそうです。
ジャマイカならではの郷土菓子って?

カリブ海諸国には、欧米の植民地支配が長く続いたこともあって、貿易によって世界各国からさまざまな食材が持ち込まれました。
もちろんそれはジャマイカも例外ではなく、元々現地で充実していた農作物に加えて、欧米の食材・調理方、そしてアフリカン テイストが組み合わさって、他のカリブ海諸国ともまたひと味違った、独特の食文化が誕生したのだそうです。
このユニークな背景を知り、来年の世界一周の旅ではジャマイカに行こう!と、即決した私。 ……でも実際、ジャマイカには一体どんな郷土菓子があるのかな?正直言って、フランス菓子をつくってきたパティシエとしては、ま〜ったく想像もつかなかったのです……!
平均気温は27℃〜32℃という暑い国だから、東南アジアにあるような、ものすご〜く甘くて、油たっぷりのお菓子かな?……などなど想像を膨らませつつ、色々と調べてみても、有力な情報はほぼナシ。これは下手に調べるより、事前に外国人COOKに聞いてみるしかない!
……というわけで、今回リクエストを送ったのがこちらのお方!
東京の豊洲で味わえる、ジャマイカの郷土菓子
東京は豊洲にお住まいのジャマイカ人COOK、Royさんです。Royさんのメニューをみるとスイーツがこんなに!
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- 掲載メニュー: ジャマイカのスイーツ&デザート
- COOKプロフィール: ジャマイカ人のRoyさん
- 値段: 約4,800円 (40US$)
- 場所: 豊洲駅 (有楽町線・ゆりかもめ) より徒歩1分
旅するパティシエ: 「ジャマイカには、どんな郷土菓子がありますか?」
というか、そもそも郷土菓子なんてなかったらどうしよう……。そんな不安も抱えつつ、KitchHikeを通じてRoyさんにメッセージを送信。すると、一日と空くことなく返信が!
Royさん: 「郷土菓子といえばPotato Puddingだね。ごちそうするよ!」
「Potato Pudding」って……ポテトプリン!? ジャマイカの郷土菓子っていうくらいだから、どれだけ奇抜なネーミングが飛び出すかと思いきや、なんて今風なことでしょう! (笑) でも、イギリスの植民地だったことを思えば「プリン=郷土菓子」ってたしかに納得かも。
とにもかくにも、ジャマイカにも郷土菓子があるとしたら、予習させて頂くほかない!期待と不安を同時に抱えながら、東京、豊洲のRoyさんの自宅へと訪ねました。
期待を裏切らない、とにかく明るいジャマイカン・Mr.Roy!
「Welcome!!」
そのやや厳つい見た目とは裏腹に、とってもキュートな笑顔で陽気に迎えてくれたRoyさん。初のKitchHike体験でちょっぴり緊張していた私も、おかげであっという間に肩の力が抜けました。


日本に住んでもう5年になるというRoyさん。幼稚園の先生をされているとのことで、なるほど物腰のやわらかさにも納得。しかも料理が大好きで、台所には沢山のスパイスやリキュールがずらり。お菓子づくりもお手の物で、明日に控えた娘さんの誕生日のために用意したという、Royさんの手作りバースデーケーキも披露してくれました。
「日本でジャマイカの料理教室をやるのが、僕の夢なんだ!」目をキラキラさせながら、そう語るRoyさん。
う〜ん、ジャマイカのクッキング・パパ、ここにあり!ものの10分ほどの出会いで私はRoyさんを師と仰ぎ、早速レッスンは始まりました。もちろん食べるだけでなく、作るところからが予習なのです。
さてさて、ジャマイカの郷土菓子「Potato Pudding」の正体とは!?
また次回のお楽しみに!
“旅するパティシエ” 鈴木あや
広尾のパティスリー、ペニンシュラホテルのフレンチレストランなどで修行を積んだ後、某レストランにてシェフパティシエに就任。「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になることを目指し、2016年1月から各地の郷土菓子を発掘する世界一周の旅に出発する。
●ウェブサイト
旅するパティシエ, 旅する本屋