世界一周!郷土菓子レッスンの旅 in チリ
こんにちは! 2016年から世界の郷土菓子を巡る旅に出た、“旅するパティシエ”鈴木あやです。
目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中で現地の人々から郷土菓子レッスンを受けながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、立体的にその地域の魅力を発信していきます。
……さて、そんな“旅するパティシエ”ですが、前回はアルゼンチンでの郷土菓子レッスンの様子をレポートしました。
そして4回目となる今回は、【チリの郷土菓子】ストーリーをお届けします!
チリって、どんな国??
アルゼンチンと同じく南米大陸の最南端に位置するチリ共和国。南北の長さ約4,300kmに対して、東西の幅は平均で約175km。
その細長い国土のほぼ真ん中に位置するのが、首都・サンティアゴ。600万人以上が暮らす大都市ですが、標高6,000m級のアンデス山脈に囲まれた盆地で、自然も身近に感じられる街です。
チリならではの郷土菓子って??
太平洋に面する長い海岸線をもつ国だけに、海鮮料理は南米の中でも屈指のレベル。魚介類のスープやアナゴを使った料理が特に有名です。
だからといって、海鮮の郷土菓子があるわけではなく(笑)、旧宗主国であるスペイン由来のものがほとんど。ただし、国民の肥満率の高さが物語るとおり、チリの人々の甘党ぶりは、甘いものが大好きな中南米の人々の間でもよく知られています。
サンティアゴで、郷土菓子レッスンの先生を発見!
そんなチリに降り立った私、旅するパティシエ。
これまでと同様に郷土菓子レッスンの先生を探して、現地のパティスリーへの飛び込み取材に挑むも、例のごとくお断りの連続……。
そんな私の前に現れた救世主が、こちらのカリーナ(Karina)さん! 私がサンティアゴで宿泊していたゲストハウスのご主人です。
「ゲストハウス・メリー(Guest House Mery)」
- 場所:チリ サンティアゴ(General Baquedano, 546, Centro,8340340 Santiago, Chile)
調査のために買い込んだ郷土菓子を抱え、宿に戻った私を気に留めてくれたカリーナさん。幸い、旦那さんが郷土菓子&歴史好きで、私の旅のコンセプトに共感してくれたこともあり、うれしいくらいに話しが弾みます。
そして、このチャンスを逃すわけにはいかない!……と、思い切って郷土菓子レッスンのお願いをしてみることに。すると、宿の運営でお忙しいカリーナさんは少し迷いつつも、わざわざ日本からやって来てくれたからと、快く引き受けてくれたのです!
ゲストハウスでの郷土菓子レッスンといえば、パラグアイでの経験が思い出されます。
私が南米で宿泊してきたいわゆる“家族経営”の宿はどこも、その国の歴史・文化についてこちらが興味を示すと、驚くほど面倒をみてくれるのが常でしたが、今回もその例外ではありませんでした!
意味を知ったら「ドキッ」としてしまう郷土菓子!?
そしてカリーナさんが先生として、今回私に教えてくれたのが「カルソネス・ロトス(Calzones Rotos)」という、こちらの郷土菓子。
カリーナさんが昔からご家族によく作っていたという、チリでは非常にポピュラーなお菓子なのだとか。
ちなみに、「Calzones Rotos」を直訳すると「破れた女性の下着」という意味。……名前からして、なにやらユニークな背景がありそう……と、おもわず想像を膨らましてしまうこの郷土菓子 (笑)。
詳しくは後編にて、レシピと共にお届けします♪
“旅するパティシエ” 鈴木あや
広尾のパティスリー、ペニンシュラホテルのフレンチレストランなどで修行を積んだ後、会員制レストランにてシェフパティシエに就任。「国と国、人と人とをつ なぐスイーツ・ストーリーテラー」になることを目指し、2016年1月から各地の郷土菓子を発掘する世界一周の旅に出発。
●ウェブサイト
旅するパティシエ, 旅する本屋