【世界家庭料理の旅】Vol.7 ごはんしたくの合い間にお茶をする?ゆったりとした時間の中で作られるウズベキスタンの家庭料理

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こんにちは!食を旅するイラストレーター、織田博子です。
いろいろな国をめぐり、現地の人と料理を作り、地元の市場をめぐり、ともに食卓をかこむ旅をしています。
「世界の家庭料理」の魅力的な世界を、イラストと文章で伝えていきたいと思います。

今回は、ウズベキスタンの家庭料理!

今回は中央アジアにあるウズベキスタンの家庭料理を紹介します。
ウズベキスタンはここ

ユーラシア大陸のほぼ真ん中に位置しており、世界に二つしかない「二重内陸国」 (二回国境を超えないと、海にたどり着かない国。もう一つはリヒテンシュタイン) で海から最も遠い国です。
そのため、食材のメインは魚より肉、特に羊が人気。
たっぷりの羊肉と野菜を炊き込んだご飯「プロフ (ポロ)」は、ウズベキスタン料理の代表です。

ウズベキスタンの代表的な料理、プロフ
ウズベキスタンの代表的な料理、プロフ

私は5年前にウズベキスタンを訪れ、壮麗なイスラム建築や、素朴で家庭的な人々、そしておいしい炊き込みご飯にすっかり魅了されました。

ウズベキスタン・ブハラにある、ミル・アラブ・マドラサ
ウズベキスタン・ブハラにある、ミル・アラブ・マドラサ

川崎でウズベキスタン料理

今回ウズベキスタン料理を作ってくれるターニャさんは、明るい笑顔とパワフルなトークが印象的な、ウズベキスタンの首都・タシケント出身の女性。

明るい笑顔のターニャさん
明るい笑顔のターニャさん

「私はとってもグローバルな人」と笑う通り、ご両親はロシア東部に住んでいた朝鮮系ロシア人。
ソ連時代の強制移住でウズベキスタンに移されたという。
ソ連統治時代のウズベキスタンで生まれ育ったターニャさんは、ロシア語はもちろん、英語、日本語も操る、超グローバルな人。

ターニャさんの才能豊かなイラスト
ターニャさんのイラスト。ウズベキスタンの街角が美しく描かれている。

ターニャさんのイラストを公開しているウェブサイト

「ウズベクの料理はとても時間がかかる。途中でおなかがすくでしょ?」

今日は、かぼちゃと羊肉を包んだパイ「サムサ」と羊肉のスープ「ショルパ」を作る。
まずはショルパ。羊肉とにんじん、じゃがいも、トマトなどの野菜をじっくり煮込み、塩で味付けしたシンプルなスープ。
shurva
肉のダシをしっかり出すため、弱火でことこと2時間煮る。

次にサムサ。
samsa
旧ソ連圏では、よくキオスク (売店) で売られているスナック。手軽な値段なので、旅行中に私も大変お世話になった思い出がある。
小麦粉を水で練り、生地を寝かせて……と、生地から作ることにまずびっくり。
生地にバターを塗り、ミルフィーユのように重ねていく。
こうすることにより、サクサクしたパイのような生地になるのだそう。

はちみつケーキもとてもおいしかったです。
手づくりケーキもとてもおいしかったです。

三角に包んでオーブンで30分、バターがじゅうじゅういう焼きたてのサムサが出来上がった。

いただきます!

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味付けは塩だけなのにとっても濃厚な羊のダシが効いてるショルパ。食べるとぽかぽかと体が温まってくる。
ウズベキスタンで買ってきたというナン (ウズベク風のパン) をつけて食べるのがウズベク流だとか。

バターがまだじゅうじゅういっているサムサにかぶりつくと、サクッ!という軽快な歯ごたえの後に濃厚な羊肉の味わいとほくほくのかぼちゃ。
熱い、でも今まで食べたどのサムサよりもおいしい!

するとターニャが「あなたは本当にいい人だね」と笑う。
どうして?と聞くと、「いい人がお客さんの時は、サムサがおいしく焼ける」という言い伝えがあるんだとか。

ウズベキスタンの料理は、4時間もかかってやっと作り終えた。お客さんのために、時間をかけて生地から準備して、おなかがすいたらお茶をして、作りながら世間話をする。そして、出来上がったらみんなで食べる。
ウズベキスタンに行った時に感じた、ゆったりとした時間の流れも味わえた食卓でした。

レシピ

ターニャさんからレシピをいただきました。
中央アジアの味、サムサ。サクサクの食感とジューシーな肉汁を楽しんでください。

材料 (4人分) 8個

強力粉 360g
水 200ml
酢 大さじ1
油 大さじ1
塩 小さじ2/3
バター 130g

A
カボチャ 130g
タマネギ 100g
塩 小さじ1
コショウ 少々
クミン 少々
ラム肉 (細切れにする)  130g

B
卵 1個
ゴマ 大さじ

作り方

  1. ボウルに強力粉、水、塩、巣、油を混ぜ合わせる。
  2. 生地を手でよくこねる。ラップをして、30分置いておく。
  3. 生地を2つに切って、1ミリくらいの厚さになるまで伸ばす。
  4. 室温で溶かしたバターをハケで生地に塗る。生地を端から丸める
    zu1
  5. カボチャの皮をむき、細かく切る。Aとみじん切りのタマネギ、カボチャをボウルに入れてよく混ぜる。
  6. 生地を8つに切って、うずまきを上に向けた状態で直径13㎝くらいに伸ばす。
    zu2
  7. ボウルに入れた中身を生地にのせて、図のように生地を折って三角にする。
    zu3
  8. Bのといた卵をサムサに塗り、ゴマをふりかけ、230度に予熱しておいたオーブンで25分焼く。
  9. あつあつのうちに、Yoqimli ishtaha! (ヤクムリ・イシュタハー!) 召し上がれ!

食を旅するイラストレーター・織田博子


プロフィール

ユーラシア大陸を一人旅し、家庭料理や人を描いています。
著書「女一匹シルクロードの旅」 (イースト・プレス)
女一匹シベリア鉄道の旅」 (イースト・プレス)。
織田博子 公式ページ