【世界家庭料理の旅】Vol.5 おとぎの国・チェコで、不思議な名前の家庭料理に出会う。

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だんだんあったかくなってきて、いよいよ春が来た!という感じですね。
「食を旅するイラストレーター」織田博子(オダヒロコ)です。
いろいろな国をめぐり、現地の人と料理を作り、地元の市場をめぐり、ともに食卓をかこむ旅をしています。
「世界の家庭料理」の魅力的な世界を、イラストと文章で伝えていきたいと思います。

「世界家庭料理の旅」、今回はチェコを訪れました!

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まるでおとぎ話のような街並みの、チェコ・プラハ。

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チェコは中欧に位置する内陸国。
ロシアやオーストリア、ドイツという大国に囲まれ、影響を受けながらも
独自の文化を守り続けてきた、誇り高い人びとの国です。

チェコの第一印象

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チェコの人って無口で、そんなにフレンドリーな感じじゃないのかな?という印象を受けたけど、
ホテルの部屋にたどり着くと、おしゃれなテーブルの上にはカゴからあふれる山盛りのお菓子。
太ったおばちゃんが「さぁ、いっぱい食べてね!」と言ってるような感じのおもてなしに
すごくギャップがあって、一気に親しみを覚えた。

日本が大好きな、レオナさんのおうちへ

プラハで日本語を学ぶレオナさんは、日本への留学経験もあり、日本語ペラペラ。
チェコからたった一人だけ選ばれる、交換留学の試験に合格したという努力家の女の子。

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「はじめまして!レオナだよー」
トラム(路面電車)をのりつぎ、プラハ郊外のレオナさんちに向かう。

チェコのかわいいマミンカが腕をふるった家庭料理を、いただきます!

「いらっしゃい!」と迎えてくれたマミンカ(チェコ語で「お母さん」)。
小柄な体と満面の笑顔で、だきしめたくなるほどかわいい。

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料理とおもてなしが大好き!という、レオナさんの”彼氏の”お母さん
「私、お母さん大好き!」とこっそり日本語で教えてくれたレオナさん。
本当の親子のように仲良し。今日も、朝から一緒にご飯を作ったとか。

さあ、いただきます!

「チェコでは、料理の最初は必ずスープ」。細い麺の入ったチキンスープ。
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チェコでよく使われるハーブ、マジョラムの香りがきいている。
麺が入っているのは、「東アジアの人びとが東欧に来た時にもたらしたのでは?」という、歴史のロマンを感じる説も。

「チェコのお好み焼きだよ」。
ジャガイモと小麦粉を焼き、チーズをそえた料理「ブランボラーク(Bramboráky)」。
外はカリカリ、中はモチモチの食感がたまらない。
レストランにはない、チェコの家庭の味なのだとか。

次はメインディッシュ、「スヴィチコヴァー・ナ・スメタニェ(Svíčková na smetaně)」。

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肉に酸味のあるジャムを加えるのは、北欧でもよく見られるスタイル。肉の旨みをひきたたせ、さわやかな後味になる。

「この料理は、チェコ語で『ろうそくみたい(Svíčková)』って意味なんだよ。
でも、なんでろうそくっぽいんだろう?」と調べるレオナさん。

調べてみると
「料理に使用する豚の背肉(ロース)がろうそくのように細長いから」
レオナさんとお母さんも「知らなかったー!」とびっくり。
ふだん身近すぎて、なかなか意識することがないことも、外国の人の目を通すと新たな発見があるのかもしれない。

食後のデザートは、お手製のケーキ「シュトルーデル(štrůdl)」。

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クランベリーの酸味と、甘いクリーム。しっとりした生地とよくあってる。
お店顔負けの見た目と味だけど、二人で作ったそう。

日本語、英語、チェコ語を交えながらの楽しいランチでした。
ごちそうさまでした。

「おもてなしをすると、幸せな気持ちになるの」

この日のためにわざわざブルノ(プラハの東180kmに位置する街)から来てくれたお母さんに、お礼の言葉を言う。
すると、輝くような満面の笑顔で「おもてなしをすると、幸せな気持ちになるの!あなたたち、たくさん食べるから食べさせ甲斐があるわー!」。

ランチの間もずうっとニコニコ、言葉はわからないけど軽快なジョークを飛ばし、少女のようによく笑うお母さん。
無口で礼儀正しい印象だったチェコの人びとの、また違った一面を見られたランチでした。

レシピ

スヴィチコヴァー・ナ・スメタニェ

たっぷりの牛肉を使って作る、じんわりとおいしいレシピ。

材料
サーロイン 900g
根菜類(にんじん、じゃがいも、セロリ根など) 300g
たまねぎ 1個
生クリーム(あれば、スメタナ)300ml
サラダ油 大さじ3
オールスパイス 4粒
ブイヨン 1つ
塩、コショウ 適量
クランベリーコンポートもしくはジャム 適量
塩 小さじ1
マスタードオイル(なければサラダ油) 大さじ5
(お好みで)青唐辛子 適量
(お好みで)コリアンダーの葉 適量
  1. サーロインに塩を少々まぶして、少しおいておく。
  2. 薄切りにした野菜を、たまねぎがきつね色になるまで炒める。
  3. 野菜を取り出し、輪切りにしたサーロインを焼く。
  4. 薄切りにしたたまねぎを、きつね色になるまで炒める。
  5. 4にじゃがいも、塩小さじ1、ターメリックパウダー大さじ1/2を加え、さらに炒める。
  6. 蓋をして2分煮る。
  7. 種を取った青唐辛子、水2カップを入れ、中火で煮る。
  8. 煮立ったら3を鍋に入れ、蓋をして10分ほど弱火で煮込む。
  9. 7をお皿に盛り、1㎜幅に薄く切った青唐辛子、きざんだコリアンダーの葉、4を飾り付ける。
  10. めしあがれ!

食を旅するイラストレーター・織田博子

プロフィール

ユーラシア大陸を一人旅し、家庭料理や人を描いています。著書「女一匹シベリア鉄道の旅」(イースト・プレス)。
織田博子 公式ページ