総勢70名で乾杯!旅先の居酒屋気分で、作り手さんとほろ酔いで語らう一夜「しずおかまんぷく大宴会」【しずおか中部5市2町オンライン体験レポート】

静岡県の真ん中に位置する「しずおか中部5市2町」。
静岡市、島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、吉田町、川根本町で構成されるこの地では、個性豊かな食材や食文化が育まれています。

こんにちは、キッチハイク編集部です。

おいしいものをピンポイントに、静岡の真ん中を横断する旅気分を味わえる「しずおかあちこちまんぷく旅」。その第3弾、旅の夜に居酒屋にふらりと立ち寄った気分になれる、シリーズ最大級のお祭り企画「しずおかまんぷく大宴会」を開催しました!

参加者60名と現地ゲスト12名が交流したイベントの様子をレポートします。

 “しずおかを旅するおつまみセット”が家に届いた!

今回のオンラインイベントでは前日に、調理済みのおつまみとお酒セットが届きました。

届いたのは「しずおか満喫おつまみセット」。宴会にふさわしく、クラフトビールと日本酒が2本も入っています。静岡県焼津市にある人気居酒屋「にじいろ。」店主・中沢信之さんが、「しずおか中部5市2町」の食材を使って作ってくれました。

「静岡を旅しているような気持ちになれるように」という想いが込められたおつまみは、キッチハイクのオンラインイベント・オリジナルメニューです。

・焼津マカロニサラダ
・和香アヒージョ
・鶏肉茶燻〜茶ノベーゼソース〜
・鰻焼おにぎり
・英君 純米吟醸 生酒(英君酒造)
・SOL NACIENTE ヘイジーIPA(GARCIA BREWING)
・お茶羊羹(三浦製菓)

メイン司会のあづあづさんと、「にじいろ。」店主・中沢さん

「焼津マカロニサラダ」は、マグロの角煮や黒はんぺんを使った和の風味のおつまみサラダ。醤油ベースの程よいしょっぱさは、箸が止まらなくなるおいしさ。

「和香アヒージョ」は、甘くてジューシーなパプリカ、ぷりっと歯応えのしいたけ、黒はんぺん入り。オイルに荒削りのかつお節を浸し旨味を抽出すると共に、食材と一緒に楽しめるようになっています。食材の香りがオリーブオイルと相まって、食卓に漂います。

「鶏肉茶燻」は桜のチップと一緒にお茶の葉っぱを使って香り付け。下味にお茶を使い、さらにそのお茶の出涸らしから渋みを抜いたものをジェノベーゼ風ソースに。

「鰻焼おにぎり」は鰻を一緒に炊きこむことで、うまみと香りをしっかりとご飯に移し、さらに後からも鰻を追加し混ぜ込むという、贅沢な〆の一品。炊く前にその場でひいた山椒をいれてるので、ほんのり味わいが感じられるようになっていました。

総勢70人超え。旅の夜の大宴会、スタート!

まずは静岡市役所の村松邦昭さんからご挨拶とあわせて、用意したお酒で乾杯!

今回は60名以上の参加者さんに加え、各種おつまみに使われている食材の生産者さんをはじめゲスト12名にもご参加いただいて、とってもにぎやかな様子です。

まずは「GARCIA BREWING」ヘイジーIPAから。柑橘系のような爽やかな香りが口の中に広がります。飲みやすくてあっという間になくなってしまいそう。

ビールを飲みながら、最初に村松さんから「しずおか5市2町」についてのクイズコーナー!皆さんはそれぞれのどの場所がどの市や町なのか、わかりますか?

関西風の地焼きを貫く清水区の鰻屋「かん吉 清水店」

料理やお酒を楽しみながら、「しずおか満喫おつまみセット」に使われている様々な静岡の食材について、生産者さんたちにお話を聞いていきます。まずは、鰻焼きおにぎりの具材、「鰻ふっくら煮」を作る「かん吉 清水店」吉田喜久子さん。

「かん吉 清水店」吉田喜久子さん

元々は吉田さんのお父さまが静岡市駿河区で始めたのが「かん吉 静岡店」です。その後、店構えにこだわりを詰め込んで新たに開いたお店が「かん吉 清水店」。

静岡県吉田町で獲れた活きた鰻を店内でさばき、うなぎを蒸さずに炭火で一気に焼き上げる関西風の地焼きで提供。炭火の遠赤外線効果で身の表面はカリッ、中身はフワフワ、皮はパリッとした食感を楽しめます。

かん吉 清水店では、おうちでも鰻を楽しんでもらいたいと作った2つの名物があります。1つ目はお店と同じ鰻を使い白焼きにしたものを、家庭のグリルでタレを塗りながら焼いて楽しめる「おうちでかん吉」、2つ目は鰻の頭と骨から出汁をとった万能調味料「神のタレ」で、どちらもオンラインで販売しています。

お店で捌いて余った鰻の頭と骨を炭火で香ばしく焼き上げ旨味を引き出した「神のタレ」は、どんな料理に使っても最高においしくなる、まさに神の調味料。吉田さんおすすめのタレレシピは生姜焼きで、お子さんがお皿を舐める勢いで完食するそうです。その他のレシピもお店のInstagramで配信されているので要チェック!

静岡の地のモノに合う、料理がより引き立つお酒たち

次は静岡の酒豪会ならぬ、日本酒蔵「英君酒造」の望月裕祐さん、クラフトビール醸造所「GARCIA BREWING」の喜納誠侍さん、そして焼津市で水産加工業を営む、静岡の酒好き代表「カネオト石橋商店」石橋利文さんによるお酒トークです。

「英君酒造」望月裕祐さん、「GARCIA BREWING」喜納誠侍さん、
「カネオト」石橋さんとテーマ司会のキッチハイク Fumi

今回届いた「英君 純米吟醸 生酒」は“火入れ”という熱殺菌をせずに-6度の冷蔵庫で貯蔵することで、新鮮な風味を楽しめるようにしているそう。極端にフルーティな味わいではなく、爽やかに香って一緒に食べる料理の味を引き立ててくれる日本酒になっています。

また逆に料理と合わせることで生酒も活き、参加者さんからは「すごく華やかな味でびっくり」といった感想も。石橋さんは鰻焼きおにぎりと一緒に楽しんで、お酒と食べる手が止まらない様子でした。

日本酒に使われているのは南アルプスのなめらかな軟水。蔵の中に湧き出ているそうで、地域の管理組合できちんと検査をして品質を保っているのだそうです。

乾杯のときにいただいたGARCIA BREWINGのクラフトビール・ヘイジーIPA「SOL NACIENTE」は、飲む瞬間にグレープフルーツやライム、レモンのような香りがふわっと広がります。特徴的な原料は、スーパーフードとして注目されるペルー原産のキヌア。また、色々な種類のホップを使うことで、まるでフルーツが入っているかのような香り(アロマ)が楽しめるようになるんだとか。

市販されている大手メーカーのビールに比べて味が強いので、合わせる料理もパンチのあるものが合うそうです。今回のセットの中では和風アレンジされたマカロニサラダにぴったり。GARCIA BREWINGではビールの他にフレッシュチーズも生産中。モッツァレラをより濃厚にして、かまぼこのような弾力で食べ応えのあるチーズはビールにもよく合うんだとか。

参加者さんからは「IPAはコクがあり、インパクトが強くておいしいですね!チーズも欲しかったな」なんてコメントも。石橋さんからは「ホップの香りがすごくて感動!」という喜びの叫びが聞こえてきました。

静岡ソウルフード「黒はんぺん」を始め、豊かな海の恵みをアレンジ

海に面した静岡県は昔から漁業が盛んなことで有名ですが、魚を使った様々な名産品があることでも知られています。ここでは3つの水産加工の技が光る食材をご紹介。

「丸又」の鈴木理恵子さん、「西尾商店」の西尾透雄さん
「山上水産」村上昇さん


1つ目は静岡のソウルフード「黒はんぺん」。紹介してくださったのは創業75年の黒はんぺん屋「丸又」の鈴木理恵子さん。文献によると、黒はんぺんは江戸時代から作られていたそうです。駿河湾でとれた青魚を日持ちして食べられるように、骨ごとゆでてすりあげたのが始まりなのだとか。

黒はんぺんは静岡おでんやフライが有名ですが、鈴木さんおすすめの食べ方はオリーブオイル焼き。両面が焼き色がつくまでフライパンでしっかり焼いてお醤油をつけて食べるんだそう。たしかに、おつまみセットに入っていたアヒージョのオリーブオイルとの相性が抜群によくてペロリと平らげてしまいました。

2つ目は静岡の郷土料理にさりげなく必ず登場する「削り節」。紹介してくださったのは、だし屋「西尾商店」の西尾透雄さん。静岡おでんや富士宮焼きそばなどに使われる削り節は、いわしを乾燥させて薄く削り出したもの。静岡の伝統的な文化で、この削り節(だし粉)がかかっていないと静岡おでんとして認められないのだとか。

静岡駅前にある居酒屋「海坊主」では大鍋に入った静岡おでんがあり、お客さんはそこから自分の好きなものを注文して、西尾商店の削り節を振りかけて食べるそうです。静岡おでんは昔は駄菓子屋さんにも売っていて、お菓子のくじを引きながら食べたりもしていたそう。

3つ目は戦後から続く家庭の味「マグロの角煮」。紹介してくださったのはは、創業昭和22年の佃煮屋「山上水産」の村上昇さん。静岡県焼津市はマグロとカツオがよく水揚げされ、戦後の食糧難の時代でも食べるものに困らなかったそう。しかし当時は冷蔵庫もなく、たくさん獲れる魚を如何に長持ちさせるかが課題でした。そこで生まれたのが佃煮という料理です。

それまでは余っていたマグロやカツオは捨てるしかなかったのを、角切りにして火を通し醤油・砂糖・酢・酒・味噌などを加えて甘辛く煮詰めて佃煮にすることで、フードロス削減に成功。当時はそれぞれ家庭の味があったそうですが、冷蔵技術の発達によって家で作る人も減り、村上さんの家庭で元々作られていたものを今では販売しているそうです。マグロの角煮はメーカーごとにさまざまな製法がありますが、山上水産では醤油と砂糖のみで炊き上げる、昔と変わらぬ無添加の製法を守っているそうです。

おいしく食べてもらいたい気持ちのつまった個性あふれる静岡野菜

最後は、静岡産野菜を手がけた生産者さんと、野菜の魅力を知り尽くした野菜ソムリエさんからお話を聞いていきます。

野菜ソムリエの天野友江さん曰く「おいしい野菜は全国にたくさんあるけれど、このお二人の手がける野菜は味がピカイチ!さらにお人柄までピカイチなんです」とのこと。

「もぐはぐ農園」五野上唯さん、「玉取杉山農園」杉山滋寛さん、
野菜ソムリエ・天野友江さんとテーマ司会のキッチハイク Hinasa

おつまみセットのアヒージョに使われていた「和ぷりか」(パプリカ)を作っているのは、「もぐはぐ農園」の五野上唯さん。このパプリカの名前は、お茶葉のカスを肥料にしているところから由来しています。

ご実家がお茶葉の工場で、昔から慣れ親しんでいたそう。そのお茶葉を加工するときにどうしても葉っぱのカスが出てしまいますが、それを勿体ないからとおばあさまが家庭菜園の肥料にしていたのだとか。そこで作っていた野菜が甘くておいしくて、という話をご近所にしたところ、食べてみたい!と話題になり、本格的に生産を始めたそうです。

パプリカが苦手なお子さんでも、生でかじりついてしまうくらいフルーツのように甘味たっぷり。

同じくアヒージョでおいしさの存在感を発揮していた「玉取茸(しいたけ)」を生産しているのは、「玉取杉山農園」の杉山滋寛さん。10年前までサラリーマンだったそうですが、椎茸農家に転身。今では藤枝セレクションや農林水産大臣省を受賞するまでに。

そんな玉取杉山農園では、なんとクラシックのモーツァルトをゆっくりたっぷり聞かせて玉取茸ととんじゃか丸という2種類のしいたけを栽培しています。クラシック音楽がかかったハウス内の映像に、参加者さんたちからは「椎茸にクラシック音楽?」と驚きの声も。 

とんじゃか丸は昔はしいたけと知らずに捨てられていたそうですが、ある日食べたところ、一般的なしいたけよりも歯ごたえがよく旨味があったことから、今ではしいたけ農家もとんじゃか丸ばかり食べているそう。1度食べたら虜になってしまいます。

和ぷりか、玉取椎茸、黒はんぺんのアヒージョ

おうちにいながら旅気分、静岡の夜はローカルトークと共に更けていく

生産者さんたちから盛りだくさんのお話を聞いて、最後に小部屋に分かれての交流タイム。先ほどご紹介いただいた以上に濃密なお話を聞くことができました。どんな風に、どんな気持ちで作っているのかを聞いていると、料理の味わいもまた一味違ってくるような感覚でした。

現地でしか味わうことのできない小さな宝物をお腹と心に溜めて、静岡の真ん中を横断しながら、あっちに、こっちに、気ままに歩いたかのような気分になった「しずおかまんぷく大宴会」。

まだまだ知らないたくさんの魅力に溢れた“しずおか中部5市2町”は2021年7月〜2022年3月まで6回にわたり開催しています。次回の「まんぷく旅」を楽しみにしていてくださいね!


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