伝統漁法「一日漁」の肉厚なあなごを丼に!三瓶そばと三瓶わさびをそえて、海と山の幸をいただきます【島根県・大田市オンライン体験レポート】

日本海側に面した島根県大田市。寒流と暖流の潮流が激しくぶつかりあう沖合はプランクトンが豊富で、身が締まり、脂の乗った魚が豊富にとれることでも知られています。

こんにちは、キッチハイク 編集部です。

先日、大田市でとれた新鮮なあなごがまるまる一匹届く「ふるさと食体験」が開催されました。大田市の海沿いにある金子旅館さんに「あなご丼」の作り方を教わりながら、さらに三瓶山(さんべさん)の蕎麦の実でつくられた「三瓶そば」と「三瓶わさび」も一緒に味わうオンラインイベント。ぜいたくなランチで満たされながら、地元の方のお話を聞く楽しいひとときとなったイベントの様子をご紹介します。

これで中サイズ!?まるまる太ったあなごなどが前日に届く

届いたセットはこちら。
・あなご (中サイズ: 200~250g) ※ 下処理済みのものをクール便でお届け
・特製ダレ (金子旅館さん自家製のタレ)
・三瓶わさび
・三瓶そば (2人前、つゆもセットになっています)

箱を開けてまずびっくりしたのは、あなごの大きさです。私の家に届いたのは長さ56cmほどで、腕の長さくらい。思わず「おおきい〜」とつぶやいてしまいました。近所のスーパーではあまり見かけることのない生のわさびにも期待が高まります。

イベント当日は大田市から中継!

今回のゲストは、あなごを届けてくださった岡富商店の岡田さん、勝部商店の勝部さん、三瓶わさびを栽培しているかじか農園の景山 (かげやま) さん、大田商工会議所の沖さん、そしてあなご丼づくりを教えてくださる金子旅館の金子さんです。

みなさんにご挨拶いただいたら、さっそく調理の開始です。

海沿いにある金子旅館の金子さんに教えていただくあなご丼作り

山陰本線・JR波根駅徒歩3分、海沿いにたつ金子旅館。季節によって旅館でもあなご御前や「へか焼き」で、お客様をもてなしていると語ります。

あなごは、これでも中サイズなのだとか。
届けられたあなごのヒレや腹骨を処理するところから、身に竹串をさして蒸すところまで丁寧に教えていただきます。

「皮と身の間に串をさすのは、蒸した時に身が丸まるのを防ぐため。竹串がなくても、爪楊枝でも代用可能です。蒸す前に、串うちしたあなごにサッとお酒をふりかけると、くさみが取れてより美味しく召し上がっていただけます」と、金子さん。

あなごを蒸している間に「三瓶そば」を茹でる準備をしたり、「三瓶わさび」をすり下ろします。

「わさびは根元の方が辛みは強く、頭の方になると香りが強くなります。陶器や鮫肌のおろし金に、丸く円を描くようにすって下さい。残ったわさびは水気を拭き取ったらキッチンペーパーに包んで、袋にいれた状態で冷蔵庫へ。次に使うタイミングになったら半日ほど水につけておけばおいしくいただけます」と、かじか農園の景山さん。

わさびのツンとした香りに食欲をそそられるなか、あなご丼の仕上げにはいります。

蒸し上がったあなごは、フライパンで煮立てたタレのなかに投入。あなごの頭と骨を焼いたエキスもはいっている特製のタレの香りが、キッチンいっぱいに広がります。「はやく食べたい!」と参加者からも、はらぺこコールが!

炊き立てのごはんにたっぷりタレをからませたあなごをのせて、「三瓶そば」の準備も整ったら、モニター越しにみんなといただきます!

大田市のあなごは、肉食でグルメな魚?

ほくほくのあなご丼をいただきながら、お待ちかねのゲストトーク。
トップバッターは、岡富商店の岡田さん、勝部商店の勝部さんです。

大田市では早朝に出漁し、日中漁をして夕方帰港する「一日漁」を行っています。この漁の特徴は、なんといっても鮮度の良さ!

漁をして帰港するまでに3日〜1週間ほどかかる一般的な沖合漁業と比べると、一日漁は獲れたての鮮度で買付けることができます。

ちなみに、あなごは季節によって漁の方法が異なるそう。また肉食の魚ゆえに大きくなるほどに、食べる魚の種類も異なるので食味もかわってきます。高級魚のノドグロを食べて育つこともあると聞いて、あなごのグルメな一面にびっくりです。

あなごのつかみ取りが体験できる「大アナゴ祭り」は今年も開催!

みなさん、7月5日は“あなごの日”ってご存知でしたか?
3年連続、あなごの漁獲量日本一の大田市では、この日に特別なイベントを開催しているんです。あなごを使った和洋の料理をいただけるほか、あなごのつかみ取りなどユニークなコンテンツが盛りだくさんの「大アナゴ祭り」 (今年も7月5日に開催予定)。ぜひ旅の予定に検討したいですね!

国立公園三瓶山のおいしい恵みをご紹介

次は、三瓶山 (さんべさん) について大田商工会議所の沖さんにご紹介いただきました。

国立公園の三瓶山は6つの峰からなり、頂上には「室ノ内」と呼ばれるくぼ地があります。この頂上で日の出を眺めながら朝食を楽しむイベント「天空の朝ごはん」が紹介されると、参加者からは「いってみたい〜!」「天候次第では、雲海を眺めることができるなんて素敵」と歓声があがりました。

三瓶山の恵みとしてこのイベントで味わったのが、「三瓶そば」と「三瓶わさび」です。
「三瓶そば」は小さな実と甘みが特徴で、在来種としての希少性と粘りのよさ、味がそば好きからも愛される一品。「三瓶わさび」は、三瓶山の清らかな伏流水で育てられています。

異業種からの転職。わさび作りに魅了された理由とは

そんな「三瓶わさび」を栽培しているのが、かじか農園の景山さんです。
景山さんの元々のお仕事は美容師さん。美容室のお客さんから、三瓶のわさび田をやってみないかという誘いを受け、かじか農園の設立を決意したと語ります。

1年を通して水温が変わらない三瓶山の麓には、世界的にも珍しい埋没林 (火山の噴火などによって火山灰で埋め尽くされた木々が、根元には水が常に流れているという特殊な環境によって腐ることなくその姿を残している状態) もあるそう。太古のロマンがつまった場所で育てられたわさびの話に、日本にはまだまだ知らない場所がいっぱいあるんだなと痛感しました。「わさびの文化を振り返ると、“東の静岡、西の島根”と言われたぐらい『三瓶わさび』は歴史のあるものなんです。最近では後継者問題もあり、畑が荒れてしまっているところも……。僕は在来種の栽培に力をいれて、この歴史をつないでいきたいと思っています。」と景山さん。あなご丼と一緒にいただいた「三瓶わさび」も在来種と聞き、はるばる大田市から届いたわさびを改めてじっくり観察しちゃいます。かじか農園さんでは、わさび体験ツアーも開催。事前に予約すれば、わさびを使った料理を味わうこともできるそう。大田市観光協会でもツアーを企画しており、旅の候補におすすめです。ちなみに出雲地域では、そばを入れる器は「割子 (わりご)」を使います。この器の起源は、戦国時代の武士たちが使っていたお弁当箱。元々は四角形の箱だったのが、明治以降に隅が洗いにくいなどの理由から丸い容器に変化していったそう。大田市ではこの丸い器を3段に重ねて提供するのが一般的。現地で、ぜひその器の歴史含めて、「三瓶そば」と「三瓶わさび」を味わいたいですね。

少し足を伸ばせば、とれたての海と山の幸を楽しめる大田市

島根県というと出雲大社へ祈りの旅を思い浮かべがちですが、そこから少し足を伸ばせば海と山の幸の恵みと、新しい魅力に気づかせてくれるイベントでした。三瓶山の自然も楽しむには、これから春夏に向かうシーズンはおすすめですね。

岡富商店の岡田さん、勝部商店の勝部さん、かじか農園の景山さん、大田商工会議所の沖さん、そしてあなご丼づくりを教えてくださった金子旅館の金子さん、おいしくて楽しい時間をありがとうございました!

大田市をもっと楽しむための、おすすめスポット3選!

せっかく大田市へ行くなら、たっぷり楽しみたい。押さえておきたい3つのスポットをご紹介します。

1. 日の出を眺められる「天空の朝ごはん」

1つ目は、イベント内でも紹介があった「天空の朝ごはん」。日の出の1時間前、あたりがまだ暗い中を特別運行リフトで上がっていき、晴れていれば、後方からだんだんと朝日の光が見え始めるそうです。また、眼下には雲海が広がっています。山頂で食べる朝ごはん、滅多に味わえないおいしい体験ですね。
▼天空の朝ごはん
https://tenku-asagohan.com/food/gallery/

2. 世界経済を動かした歴史を持つ世界遺産「石見銀山」

次は、2007年に世界遺産に登録された「石見銀山」。
最盛期には世界の産銀量の約3分の1を占めた日本銀のかなりの部分が石見銀山で産出され、そこで産み出された良質で大量の銀は世界経済を動かし、欧州の人々は「銀鉱山の王国」と地図に記したそうです。

「石見銀山」は、銀の採掘にまつわる歴史、遺跡を取り巻く自然、そこに住む人との調和した姿が広範囲にわたるので、たっぷりと時間をとってその価値をお楽しみください。
▼石見銀山
https://ginzan.city.ohda.lg.jp/

3. 豊作・豊漁、無病息災を祈願し、神々に捧げる儀式・伝統芸能の「石見神楽」


最後は、石見神楽 (いわみかぐら) 。島根県西部 (石見地方) や広島県などで古くから伝統芸能として受け継がれている神楽の様式のひとつで、島根県大田市のある石見地方を代表する郷土芸能です。その年の豊作・豊漁、無病息災を祈願し、神々に捧げる儀式として古くから舞われてきました。目に焼きつくような迫力とその舞に、誰もが魅了されることと思います。
▼石見神楽
https://www.iwamiginzankagura.com/

あなごのもう一つの食べ方、郷土料理「へか焼き」をご自宅で楽しもう!

今回あなごをお届けくださった岡富商店さんとキッチハイクのコラボで、大田市の一日漁で獲れた魚を郷土料理「へか焼き」で楽しめるセットがオンラインで販売中!
あなごの他に、名物高級魚「ノドグロ」、そして「にぎす」は”食べたことのない人がほとんどだと思うので”、と大田市を味わう初体験としても食べてもらいたいという思いで選ばれた3種類の魚。ん〜!食べたいです!

大田市の郷土料理「へか焼き」を、ぜひご自宅でお楽しみくださいね。