お米を大切にする文化から生まれた郷土のおやつ「笹だんご」をつくろう【新潟県・南魚沼市オンライン体験レポート】

一部の地域で愛されているおやつである笹だんご。
実は新潟県の代表的なおやつで、よもぎが香る笹に包まれたおだんごです。

こんにちは、キッチハイク編集部のChiekoです。

米どころで知られる新潟県南魚沼市は、お米を大切に食べる文化が根付いています。その文化から生まれた郷土料理の一つが「笹だんご」。そんな「笹だんご」作りが体験できるオンラインイベントが先日開催されました。できたてのおやつに参加者の皆さんが賑わい、笑顔でいっぱいになったイベント。その様子をレポートします!

「笹だんご」セットが事前に届く


今回届いた「笹だんご」セットの中身はこちら!
・笹の葉
・すげ
・いるごっこな (うるち)
・いるごっこな (もち)
・よもぎ
・つぶあん
聞いたことのない食材もあり、前日から妙にワクワクしていました。

当日は、南魚沼から中継で笹だんご作り!


そして、当日。笹だんご作りを教えてくださったのは、前回も南魚沼のおいしい郷土料理「生姜味噌の焼きおにぎり」を教えてくださった、管理栄養士のちきらたまきさんです。南魚沼出身で、2011年に東京から南魚沼にUターン。ご実家は米農家さんだそうです。

南魚沼市役所の「U&Iときめき課」で地方創生に取り組む清水さんもご参加。初めて行う笹だんご作りに「非常にときめいています」とお茶目なコメントをしてくださいました。

抗菌・防腐作用がある笹は、優れた保存食だった


笹には抗菌・防腐作用があるため、冷蔵庫がない時代から笹で料理を包んで保存をしたり、農作業の際の携帯食にも利用されてきました。野山に自生している笹は、だんごを包める大きさに育つのが6月くらい。ちょうどよもぎの新芽が出始める時期でもあり、よもぎを加えた草餅を笹だんごにして、月遅れの端午の節句 (6月5日頃) の行事食として作られてきました。
ちきらさんが見せてくださったこちらは「すげ」。笹だんごを結ぶのに使います。
笹とすげは、乾燥して保存することができるため、現在では季節を問わず、おやつとして日常的に親しまれているんだそうです。

お米を大切にする文化から生まれた「いるご」とは?

ご自宅で材料を準備する場合は、「うるち」を米粉で、「もち」を白玉粉で代用できます。
ご自宅で材料を準備する場合は、「うるち」を米粉で、「もち」を白玉粉で代用できます。

だんごの材料は「いるごっこな」と呼ばれる粉を使用します。南魚沼では、実が入っていなかったり、粒の小さなくず米のことを方言で「いるご」あるいは「いりご」と呼びます。このような通常のお米として流通できない規格外の「いるご」を粉末にしたものが「いるごっこな」。お米を無駄にせず、大切にして食べるのが新潟の文化なのだそうです。

これらの粉に、お湯に溶かした乾燥よもぎを混ぜ、よもぎだんごの生地にしていきます。参加者の皆さんから、「よもぎのいい香り〜!」と声が上がります。

ひびが入らなくなるまでよく捏ねたら、あんこ玉をよもぎ生地でくるみ、俵 (たわら) 型に丸めます。

おばあちゃんの楽しみは、作った笹だんごをご近所に配ること


さて、ここで笹を使う作業に入ると、ちきらさんお手製の笹だんごグッズが登場!上手に笹でだんごを包めるかちょっぴり不安なパートだったので、目にも楽しくわかりやすいレクチャーが嬉しいです。

おかげで、難しそうな「すげ」の結び方も、とってもわかりやすい!
参加者のみなさんからも、続々と
「なんとか、結べました!」
「全部できました!」と声が上がります。

笹だんごは、時期になると地元のおばあちゃんたちがせっせと作るのだそう。作る数は1回で30〜50個作るのが当たり前!それをご近所に配ったり、東京に住んでいるお子さんに送ったりするのがおばあちゃんの楽しみとなっているのだそうです。

蒸しあがった笹だんごを、みんなで「いただきます」!


さて、結んだ笹だんごを20分ほど蒸してできあがり!
お鍋の火を止めずにお湯がグラグラしているところで笹だんごを取り上げます。そうすることで、水分が蒸発して水切れがよくなるそうです。
束になった笹だんご。画面に見える参加者の皆さんも楽しげな様子です。それでは、出来立てを、みんなでいただきま〜す!

「バナナをむくように笹の葉を剥がしていくと手を汚さずに食べることができるんですよ。」とちきらさん。考えられたおやつですね!

参加者の皆さんも、手作り笹だんごのおいしさに、「美味しい!」「うまくいきました!」「もっと食べたい」と、笑顔でいっぱいです。

実は南魚沼では、今回のような蒸し立てを食べる機会は少なく、冷めたものを食べることの方が多いのだそう。お店では冷凍で販売されていたりするので、できたてのホカホカが食べられる今日はちょっと特別なんですね。

雪と共存し、恩恵を受けながら暮らす文化

みんなで笹だんごを頬張りながら、南魚沼の魅力を教えてくださるゲストトークの時間。
まずは、南魚沼市役所の滝沢さんから、南魚沼の魅力を教えていただきました。

南魚沼は、標高2,000m級の山に囲まれていて、東京でいうと23区分ほどの大きな街。東京から上越新幹線で行くと90分ほどで行けるので、思ったよりも近い雪国です。

そして、何と言っても、有数の豪雪地帯。だからといって、大雪で交通が麻痺することはほぼないんだそうです。それは、除雪車のおかげ。生活道路は除雪システムが整備されているので、雪が降っても翌朝の通勤・通学時までには路面が見えるほどまで除雪されています。

昔は雪で苦労することも多かったそうですが、今は苦労するというよりも、共存し雪の恩恵を受けることが多くなってきたとのこと。
スキー産業がその一つ。雪質の良さ、土地の傾向から、市内10カ所ものスキー場があり、ウィンタースポーツが密着している地域でもあります。

雪解け水が育むおいしい山菜、川魚、そして日本酒


また、雪解け水のおかげで山菜や川魚もとても美味しいと県外からも評判だそうです。特に、雪国の山菜はアクが少ないと言われ、お隣の群馬県から採りに足を運ばれる方も多いのだとか。そして、忘れてはならいないのが、日本酒。南魚沼には、あの「八海山」をはじめとする日本酒の蔵が市内に3つあります。そして、この南魚沼の3つの蔵の日本酒飲み比べとおつまみを楽しむ贅沢な企画が、先日1/16 (土)に、昼の部夜の部で開催されました。

雪の中で熟成されて甘みが強くなる「雪室野菜」とは?

もう一つ注目したいのが、「雪室野菜」という南魚沼ならではの食文化。これは、冬に降った雪を貯蔵庫に貯め、雪の中で食材を保存・熟成する方法なんです。じゃがいも、人参などは、雪室で3ヶ月くらい保存すると糖度が上がって甘くなるのだとか。次回の日本酒のイベントでは、そんな「雪室野菜」も一緒にお届けしますよ。

野菜の他にも、米、肉、酒なども雪室で熟成させ、雪の利活用がなされています。ふるさと納税の返礼品にもなっている南魚沼ならではの美味しい食材です。

南魚沼ならではの楽しい暮らし方を提案していきたい

続いて、「ナナシのマルシェ」を開催している田村さんからお話を伺いました。茨城から南魚沼へ移住して20年になる「移住」の先輩です。

田村さんは、「南魚沼の地域ならではの暮らし方ってなんだろうな。みんなで楽しい方向で考えられたらいいな。」という想いを持ち、楽しい時間を過ごせる企画を盛り込んだマルシェを開催しています。

特に注目したいのが、電車の中を会場にしたマルシェ。いくつものお店が入った電車が市内の各駅に止まり、お客さんは最寄りの駅へ行けばマルシェが楽しめる仕組み。なんだか物語に出てきそうです。

こちらの写真は、電車の2両にパン屋さんを乗せた「ほくほく列車の市 (パン列車)」のマルシェの模様。この日は駅のホームが、パンを買うために入場券を買って訪れる人でいっぱいになったそうです。これには、駅員さんたちも大喜び。

これからも南魚沼の楽しい暮らしの提案をなさっていく田村さん。ご活躍に注目したいです。

毎年巡ってくる四季が楽しくて仕方がない!


最後のゲストは、故郷が岡山県倉敷市の阿部さん。ご結婚がきっかけで、10年前に南魚沼に移住されました。

「南魚沼は一言でいえば、倉敷と真逆です。」とおっしゃる阿部さん。

それは、海のない高い山々に囲まれた地域であること、そして小学校の教科書に載っていたどこか他人事のように思っていた本物の雪国だったこと。ですが、そんな南魚沼での暮らしで、毎年巡ってくる美しい四季が楽しくて仕方がないんだそうです。

南魚沼は、冬に大雪が降るという特徴から四季が非常にはっきりしています。そんな阿部さんのお話を聞いて、季節とともに景色ががらりと変わる様子を、自分の目でも確かめたくなりました。

雪国が育むおいしい食材や文化が、暮らしを楽しくさせる

本日は、笑顔の絶えないみなさんと交流しながら、おいしい笹だんごを作って食べて。なんだか、自分のふるさとがひとつ増えたような温かい気持ちになりました。

雪国が育むおいしい食材が豊富なこと、そして、そこにある暮らしが豊かで楽しいものであることを知り、皆さんにも会いに出かけたくなりました。

市役所の清水さん、滝沢さん、わかりやすく笹だんご作りを教えてくださったちきらさん、現地の楽しい暮らしを聞かせてくださった田村さん、阿部さん。本日はありがとうございました!

「南魚沼を味わう旅シリーズ」次回は、2種の地ビールが楽しめます!

「南魚沼を味わう旅シリーズ」と題して、11月から3月にかけてキッチハイク×南魚沼市のコラボイベントを全7回に渡ってお届けしています。おうちにいながら、まるで旅をするような気持ちで南魚沼市の「食」や「暮らし」をのぞいてみてください。

他の回にも興味がある方は、南魚沼市のイベント一覧をチェックしてみてくださいね。

また、地域・自治体の方で、キッチハイクと一緒に地域の魅力を発信したい!という方は、こちらまでお問い合わせください。

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