こんにちは!KitchHike編集部のYukoです!
先月12月3日(日)に、オーストリア政府観光局とのコラボレーションでPop-Upの第3回目が開催されました。その様子をレポートいたします!
今回のCOOKも、パリのル・コルドンブルーを卒業し、現地のパティスリー“Laurent Duchene”にて研修を経て、現在は洋菓子教室Sucreries (シュクレリ) を主宰するパティシエRinaさんです。
クリスマスまでのカウントダウンとは?
オーストリアはカトリックの国ということもあり、一年を通してクリスマスは非常に重要なイベントの1つです。約1ヶ月半前からムードを盛り上げるために、当日までカウントダウンの仕方があるんです。
オーストリア政府観光局のマリアさんが話してくださいました。
12月4日は幸運を祈るバーバラの日
”バーバラの幸運の枝”と呼ばれる桜の枝を購入します。枝の蕾がクリスマスイブに開花したら次の1年を幸運に過ごすことができるという言い伝えがあるそう。
12月5日は怖〜いクランプスがやってくる!
「クランプス」とはオーストリア版のいわばナマハゲのことです。不気味で恐ろしい仮面をつけたクランプス達が、町中を歩き家々を廻るのだそうです。
マリアさんは幼い頃、家に来たクランプスが窓をガンガンと叩き、とても怖い思いをした記憶があると話してくれました。
12月6日の聖ニコラスの日はもう一つのクリスマス?
「聖ニコラスの日」はもう1つのクリスマスの日のようなものです。聖ニコラスとはサンタクロースの起源となった人物で、この日は街の広場に現れ、子どもたちにお菓子やおもちゃをプレゼントします。
12月の半ばから家族でクッキー作り♡
オーストリアでは12月半ばからクリスマスに向けて、家族でたくさんのクッキーを作る風習があります。 伝統的なたくさんの種類のクッキーがあり、家族みんなで作ります。クリスマスには、これらのクッキーが絶対に欠かせない存在なんだそうです。
オーストリアのクリスマス定番のクッキー作り!
このようにオーストリアでは、このクリマスのクッキーがとっても大事。クリスマスに向けて、家族みんなで一緒にクッキー作りをし、クリスマス当日にみんなで食べる。そんなオーストリアならではの文化に触れながら、今回はみんなでクッキーを作っていきます。
クッキーといっても、十数種類あるそうで、今回はマリアさんの幼少時代に好きだったという3種のクッキーをチョイス。「ヴァニレキプファル」「ドッターブッサル」そして「ラムボール」の3種を作りました。どれも型を使わずに簡単に作ることができます。
ラムが効いたチョコレートたっぷりの「ラムボール」
まずは、ラムボール。作り方はとてもシンプルで簡単なんです!材料を混ぜ、しばらく冷やした後、丸めるだけ!ラム酒の分量はお好みで調整することができるので、食べる人によって好みを変えられるのがいいですね。
ラムボールはとても濃厚な味わいなので小さめに作るとちょうど良いです。
丸めた後は周りにグラニュー糖をまぶしていきますが、ココナッツフレークなどにしてもおいしいんだそうです。
ラムボールを作りながら、COOKのRinaさんからオーストリアの思い出話を聞きました。カフェでコーヒーを飲んで温まろうと思い、可愛らしい名前に惹かれ「マリア・テレジア」というコーヒーを頼んだそうです。それが一口飲んでみたら、びっくり!「マリア・テレジア」にはオレンジのリキュールが入っていたんです。まさかコーヒーにアルコールが入っているとは思っていなかった、というびっくり体験だったそうですが、オーストリアでは冷えた体を温めるために、アルコール入りのコーヒーが一般的なんだそうです。
小さなキスを意味する「ドッターブッサル」
「ドッター」とはドイツ語で「卵黄」を意味し、「ブッサル」は「小さなキス」を意味します。生地には卵黄を使っているので焼く前の生地がとても黄色かったのが印象的でした。
生地をしぼり袋に入れ、鉄板に絞り出してちょこんちょこんと並べていきます。
ですが、この絞りだしの作業が思いの外難しいんです(笑)。みんなで順番に試してみるものの、なかなかうまくいかずに、個性のある形が鉄板に並び、思わずみんなで笑いあってしまいました。
ですが、そんなに神経質にならなくとも、とてもおいしそうに焼きあがりました。
粗熱がとれた後、焼きあがったクッキーを重ね合わせ、間にジャムを挟んでいきます。
今回使用したジャムはオーストリア産のアンズとイチゴの2種類のジャム。
アンズはオーストリアの名産なんだそうです。確かにあのオーストリアを代表するケーキ「ザッハートルテ」にもアンズジャムが使われています。ジャムを挟んだあとは、最後の工程!湯せんで溶かしたチョコレートにボディの半分をディップし、コーティングしていきます。
アンズとイチゴジャムで見分けがつくよう、イチゴの方にはチョコレートで顔を書きました。
さて、これで可愛いクッキーがまた一つ出来上がりました!
三日月型の「ヴァニレキプファル」
最後に作ったのは「ヴァニレキプファル」。出来上がりの味はブールドネージュに少し似ていますが、形は三日月型です。
型を使わずに、手で三日月型を成形。もちろん、大きいのも小さいのもみんなで作るので不揃いですが、全く問題ありません。
みんなで楽しくおしゃべりしながらのお菓子作りはあっという間。
続々とクッキーが焼き上がり、会場は甘い香りでいっぱいになります。
いよいよクリスマスのティータイム♩
さあ、いよいよ待ちに待ったティータイムです。
食器は、500年の歴史をもつオーストリアの伝統陶器のグムンデン陶器。
その中でも今回使用したのは、17世紀に考案されたグムンデン陶器を代表する定番中の定番の「緑の炎」シリーズ。
ポインセンチアの赤と陶器の緑の組み合わせでテーブルの上もすっかりクリスマス!オーストリアでは家族で作ったたくさんのクッキーを、半月ほどかけて食べます。実はクッキーは日を置いた方が味が馴染みおいしいのだそうです。
右から「ドッターブッサル」「ラムボール」「ヴァニレキプファル」。
もう、どれもこれも、幸せになるくらいおいしいです。みなさん、お皿にいくつかクッキーを取るも、食べ進める手が止まりません!
オーストリア政府観光局のマリアさんも、COOKのRinaさんも、みんなで一つのテーブルを囲み、オーストリアの話で盛り上がります。
日本とは違うクリスマスの過ごし方
ろうそくを灯す「アドベントクランツ」
オーストリアのクリスマスに欠かせないのが「アドベントクランツ」。見た目はクリスマスリースに似ていますが、扉にかけて飾るのではなく卓上に置くテーブルデコレーションです。
「アドベントクランツ」はリースの中に4本のろうそくを立てます。
12月24日から数えて4つ前の日曜日に1番最初のろうそくが灯され、その後クリスマス直前の日曜日まで1本ずつ火が灯されます。クリスマスの訪れとそれまでのカウントダウンを示すものです。
日本とは違うクリスマスの過ごし方に、みなさん興味津々の様子です。
クリスマスツリーの飾りつけはイブの日に
また、ツリーの飾り付けは日本のようにクリスマスの数週間前からするのではなく、大人が24日のお昼にします。そして、夜まで子どもにツリーは見せずに、まずは家族で教会へミサを聞きに出かけます。
教会から家へ帰って来ると、大人の鳴らすチリンチリンという鈴の音でようやく子どもたちがリビングへ。
美しく飾られたツリー、そしてその前には子どもたちのためのプレゼントが置かれているのです。これがオーストリア流のクリスマス。
プレゼントを手にしたあとは、クリスマスソングを歌ったり、クリスマスにまつわるストーリーをおじいちゃんから聞いてディナーを囲んだりなど家族の時間を過ごすのだそうです。
オーストリアのクリスマスマーケット
11月半ばからクリスマスの時期になると、オーストリア各地でクリスマスマーケットが開かれます。
ウィーンでは様々な広場でクリスマスマーケットが開かれ、広場ごとで大きく異なるため、色々なマーケットをはしごすることができるのウィーンのクリスマスマーケットの魅力のうちの1つです。
そんなクリスマスマーケットでは、自分のためのショッピングを楽しんだり、クリスマスプレゼントの買い物をする人もいれば、グルメを楽しむ人もいたりなど、楽しみ方や過ごし方は本当に人それぞれ。
冬のオーストリアに今すぐ行ってみたくなります。
美しいオーストリアの歌声がサプライズに
さて、クリスマスの話やクッキーを楽しんでいるティータイム中、なんとここで、サプライズが起きました!
先ほどまで一緒にクッキーを作っていたHIKERさんのお一人で、オーストリアへ声楽を学びに留学れていた川辺茜さんが、その場で美しい声でオペラを歌ってくださいました。
これもマリアさんによるオーストリア体験の企画の一つ。素敵なティータイムとなりました。
オーストリアの楽しみ方
ヨーロッパへは最短最速9時間半!
来年、2018年5月15日より夏期の間(5月~10月)のみオーストリア航空の成田⇔ウィーン間の直行便が就航します。乗り換えの無い直行便は便利ですが、実は使い勝手が良いのがフィンエアー。同じく来年の5月から、ヘルシンキ⇔成田線を増便し、1日2往復のダブルデイリーで運航。なんとその飛行時間はヨーロッパへは最短最速の9時間半!
コンパクトなヘルシンキ空港での乗り換えは楽ちんな上、なんとラウンジには本物のフィンランド式サウナがあるのだとか?! フィンランド発祥のムーミンやマリメッコの専門店があるなど、待ち時間でお買い物も楽しめます。ヘルシンキからウィーンへの飛行時間は2時間あまり。乗り換え便を上手に使いこなして、贅沢にヨーロッパ周遊を兼ねてオーストリアへ出かけるのはいかがでしょうか。
無形文化遺産の「ウィーンのカフェ文化」
真冬のオーストリアは寒いため、室内での楽しみ方が豊富なのだとか。ちょっぴり寒いけど、ユネスコの世界遺産に登録されていて、2000年の歴史を誇るウィーンの旧市街をお散歩したら、無形文化遺産に登録されている「ウィーンのカフェ文化」を満喫しに老舗カフェへ。コーヒーと甘いお菓子で心と身体が温まったら、今度はおしゃれな美術館でアートに触れてみてはいかがでしょうか。ウィーンは「音楽の都」だけあって、国立歌劇場のオペラ、華やかなミュージカル、世界的に有名で同じく無形文化遺産に登録されている「ウィーン少年合唱団」、クラシックコンサートやコンテンポラリーアーティストのライブ演奏など、街のいたるところが音楽で溢れています。寒い冬はそんな音楽文化を楽しむにも絶好の季節です。
ここでは語り切れないオーストリアの魅力を見つけにぜひお出かけになってみてくださいね。