世界のベストレストラン1位を4回受賞!「Noma」のドキュメンタリー映画をいち早く観てきました!【東京ごはん映画祭/イベントレポ】

こんにちは。食べることと映画が大好きなKitchHike編集部の岩井です。

今回は、スペシャルディナーを食べながらおいしい映画が観られるということで、「第6回東京ごはん映画祭」にやってきました!私にぴったりなイベントじゃないですか…行く前から、楽しみでソワソワ。

というわけで、今夜の会場となる丸の内にある重要文化財明治生命館におじゃましました!

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映画館でない場所が今夜だけの映画館に。明治生命館の渋さがたまりません。

東京ごはん映画祭とは?

「第6回東京ごはん映画祭」2015年10月31日 (土) – 11月13日(金)

今年で6回目を迎える 「東京ごはん映画祭」 は、“食でつながる人と人を描いた映画”、“ごはんが印象的な映画”を一堂に集め、“映画”と“ごはん”を愛する多くのみなさんの心と胃袋を満たし、いつもよりちょっといいごはんの時間を過ごしていただきたく、毎年秋に開催される“食”と“映画”を堪能できるイベントです。

11/13(金)まで、シアター・イメージフォーラム(渋谷)や都内レストラン各所で絶賛開催中です。上映タイトルは、『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』『あん』『深夜食堂』『グランド・ブダペスト・ホテル』『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』『赤い薔薇ソースの伝説』『フライド・グリーン・トマト』『キッチン・ストーリー』など、幅広く厳選された全15作品。開催は今週いっぱいまで!

イベント詳細

名称:第6回東京ごはん映画祭
会場:シアター・イメージフォーラム(渋谷)、レストラン各所(都内)
期間:2015年10月31日(土)〜11月13日(金)
主催:東京ごはん映画祭実行委員会
オフィシャルパートナー:サン・セバスチャン国際映画祭
電話番号:03-5771-3566
公式サイト:http://tokyogohan.com/

世界のベストレストラン「Noma」を題材にした映画「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」

第6回東京ごはん映画祭の上映タイトルの中でも、もっとも注目度の高い映画のひとつが「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」です。

みなさん、「Noma」というレストラン、ご存知ですか?

「料理に蟻がのっている奇抜なレストラン!?」という風に記憶がある人も多いのではないでしょうか。デンマーク・コペンハーゲンにあるNomaは、イギリスの雑誌が主催する「世界のベスト・レストラン50」で1位を4回も獲得しているレストランです。

Nomaの成功の陰にある物語を描いた映画「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)※1」は、第63回サン・セバスチャン国際映画祭(スペイン)、キュリナリー・シネマ部門(食や料理がテーマの作品部門)で、最優秀作品賞である「TOKYO GOHAN AWARD※2」を受賞した作品なんです。

今夜は、アジアプレミア上映の特別試写会!日本では2016年に全国公開予定です。

映画を観る前に「東京ごはん映画祭」とっておきのスペシャルディナータイム。映画の前に映画をイメージした料理を食べられるなんて、これ以上ない贅沢!

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重要文化財の中で味わう料理と映画。上品な雰囲気が漂います。映画への期待を胸にいただきます。
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メインディッシュは「埼玉県産鴨ロース 彩り野菜とビーツのソース」。見ているだけで幸せ、、、

メニューは、モダンクラシックなフランス料理。なんとも優雅な気分に。。

まずは、「赤甘鯛とワタリ蟹のブイヤベース・スープ」で身体もココロも温まったあと、メインディッシュの「埼玉県産鴨ロース 彩り野菜とビーツのソース」野菜のソースで頂くお肉。盛りつけもオシャレです。このあとは青森県産リンゴのデザートもでてきました。

サン・セバスチャン国際映画祭とは?

お食事も落ち着いたところで、トークゲストとして、なんと、サン・セバスチャン国際映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノス氏と、副ディレクターのルシア・オラシレグイ氏がスペインから駆けつけてくれました!

左:サン・セバスチャン国際映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノス氏 右:副ディレクターのルシア・オラシレグイ氏
左:サン・セバスチャン国際映画祭ディレクターのホセ=ルイス・レボルディノス氏
右:副ディレクターのルシア・オラシレグイ氏

まずは、スペインのサンセバスチャンについて話してくれたお二人。

 

サンセバスチャンはどんな特徴がある街ですか?

サンセバスチャンの人は、もともと食や料理への関心がとても高いんです。一般的に料理は女性がするものと思われがちですが、サンセバスチャンでは男性も積極的に料理をしますよ。最近は地元スペイン料理だけではなく、他地域の料理にも興味が高まっています。特に食に対する愛着や伝統がある「日本食」は、サンセバスチャンでも注目されています。

今回「TOKYO GOHAN AWARD」に選ばれた「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」にはどんな印象を持っていますか?

今回、キュリナリー部門に選ばれた作品は、アジアやヨーロッパの有名シェフを取り上げたものが多かったです。その中でも、「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」は、カリスマシェフ、レネ・レゼピをスターのように取り上げるのではなく、彼の考えや想いといった内面に注目した作品。移民としてデンマークに移り住み差別された過去や、食との向き合い方が深く描かれていて、レストランNomaが世界一に4度も輝いた理由がわかるよ。

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砕けた雰囲気で話す2人。会場の期待が高まっていきます。

最後に、会場のみなさんに一言お願いします。

サンセバスチャンは、人口は少ないけれど、人はとても温かい街です。料理が好きな人が多く、美味しいものも沢山。足を運んで損することはない場所なので、是非一度遊びにきてください。

美食の街、スペインのサンセバスチャン、行ってみたいものです…!

「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」の見どころ

さて、映画の魅力もお伺いできたところでいよいよ上映スタート。見どころをいくつかお届けします!

主人公は、日本でも人気の高い世界的なカリスマシェフのレネ・レゼピ。
なんと制作期間4年という長い時間をかけて、彼の人生そのものに、とことん迫っています。

食に対するシンプルな考えと燃えるパッションの持ち主

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Nomaの厨房。さまざまなアイデアを具現化する特別な空間。

まず、この映画を観終わった時、「レネ・レゼピって、蟻とか花とか変わった食材を使って料理する奇抜なシェフでしょ?」という、彼に対する印象がガラッと変わりました。実は、彼の食に対する考えは、とてもシンプルなものだったんです。

「時間と場所を料理で表現すること」

つまり、今地球のどこにいて、どんな季節の中にいるのかを感じられる料理を、彼は作っているのです。彼は、このシンプルな考えを貫くために、激しすぎるくらいのパッションを注いでいます。例えば、Nomaで提供される料理は、北欧でとれた食材からできたものがほとんど。地元漁師や農家へ、自ら足を運び食材を調達します。地元食材を使うことこそ、最大の意味があると考えています。

さらに彼は、自然という未知の世界にあるもの全てが料理の食材になりえる、と信じています。

「僕たちは、食の世界の探検家なんだ」

彼がシェフ達によく言うコトバだそう。ただ厨房で美味しい料理を作るだけじゃなく、Nomaのシェフ達は、地元に生えている草や花、昆虫や樹液までも食材にできないか?と日々探検に出て、食材を採取しています。

ちなみに蟻を使う理由は、北欧ではレモンなどの柑橘系が手に入らないから、だそうです。理由がシンプルすぎてビックリ(笑)!蟻がレモンのような役割を果たすと発見した彼はやっぱり天才ですね…。ということは、唐揚げに蟻をかけて食べたら、美味しいのかなあ?(笑)

 

リアルに映し出されたNomaの厨房風景

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料理というより、芸術作品。ハッと息を呑む美しさ。

Nomaの厨房の様子がたびたび登場します。最高の料理を提供するために、全神経を集中させている彼らは、何かと戦っているようにみえます。まさにソルジャー!観ているだけで、こっちまで緊張してきます。彼がシェフ達を叱責するシーンにも、お構いなくカメラが入っています。

シェフ全員があつまって、新作レシピの開発をしている様子も、とても興味深いシーン。厨房から生まれる独創的な料理の数々は、息をのむ美しさで、なんだか芸術作品を観ているような感覚です。

 

デンマーク人ではない彼が一番デンマーク人らしい

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真剣な表情と食材。もうこれだけで、絵になります。

現在のレネ・レゼピだけにとどまらず、生い立ちといった過去のエピソードが語られているところも、映画の見所の一つです!

彼は、デンマーク人ではありません。幼少の頃、家族そろってマケドニアからデンマークに移民としてやってきました。移民の彼は、今まで数えきれないほど差別を受けたそうです。そんな境遇の中でも、周りの批評は気にせず、自分の信じる料理に全身全霊の力を注ぎ続けている姿から、彼のとてつもない芯の強さが感じられます。また、Nomaの経営は決して順風満帆なものではなく、2014年に4度目の世界一を奪還するまでには様々な苦悩があったといいます。世界一への再挑戦に向けた苦悩と努力が、これでもか!というくらいあぶり出されています。

ちなみに、デンマークにはプロテスタントが多く、食に対する関心や伝統文化がほとんどありませんでした。そんなデンマークにNomaができ、世界一のレストランになったことで、今やデンマークに美食を求めに訪れる人が多くいます。(結果観光客が激増したとか!)その立役者である彼を讃えて、「デンマーク人ではないけれど、一番デンマーク人らしい」と言われているそうです。


 

以上、「NOMA, MY PERFECT STORM(原題)」の魅力、少しでも感じていただけたでしょうか?

レネ・レゼピは「場所と時間を料理で表現することで、世界とつながることができる」と言います。私たちが口にするものは、普段あまり意識しないかもしれませんが、自然界の産物です。料理を通して場所や時間を感じられることは、つまり、この自然界の中で生きている(生かされている)と感じられるということなのかなと、思いました。

この映画は、食に対する考え方に、新しい発見や気づきをくれる作品なのではないでしょうか?

2016年、日本での公開をお楽しみに!