イタリア人ルカさんに聞く、簡単に手に入る食材で作る本格的なイタリア家庭料理【COOK紹介】

世界の家庭料理を旅しよう!こんにちは、KitchHikeです。

ご存知KitchHikeは、食卓で人と人をつなぐWebサービス。旅行中に現地の料理を楽しむことはもちろん、日本に住んでいる外国人の家で、本場の味を手軽に味わうこともできちゃいます。

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今回は、イタリア出身のルカさんをご紹介します。ルカさんは日本に住んで3年半になる、優しい笑顔の一児の父。実は今回の取材日から奥さまが産休に入られたとのことで、もうすぐ新しい家族が増えるんです!
ルカさんが腕を振るう、日本のレストランとは一味もふた味も違う、本場のイタリア家庭料理とともにご紹介いたします。

▼ルカさんのメニュー▼

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あまり聞き慣れない「米ナスのメダリオン」とは?

ルカさん、本日は宜しくお願いいたします! 早速ですが、ルカさんのメニューにもある「イタリア家庭料理米茄子のメダリオン(Medaglioni di Melanzane)」とはどんな料理なんでしょうか?

-ルカさん (以下、敬称略)
米茄子を輪切りにしたものの間に、ハムとチーズを挟んで、からりと揚げた料理です。

メランザーニ (茄子) を使った料理は、イタリア南部、特にシチリアに多いんです。だから、そのあたりが発祥の料理かもしれないですね。でも、イタリアのどこでもよく見られる一般的な料理で、僕の実家でもよく作っていたんですよ。

Kitchhikeの看板メニューに、米茄子のメダリオンを選んだ理由はなんですか?

– ルカ
それは、子どものころにマンマ (お母さん) とノンナ (おばあちゃん) と作った、僕にとって「家庭の味」だから。イタリア人はマモーニ  (イタリア語でママっ子、マザコンのこと) が多いんです……僕は違うけどね (笑)!イタリアでは南部に行けば行くほど、みんなマンマ大好きですね。

わあ、イタリアのマンマの味、とっても楽しみです!よろしくお願いいたします。

– ルカ
米茄子のメダリオンを作る前に、まずは食前のドリンクで乾杯しましょうか。これは、なにでできていると思う?

事前にルカさんが作っておいてくださった食前酒。家でも簡単に作れるおもてなしにぴったりの一杯です。
事前にルカさんが作っておいてくださった食前酒。家でも簡単に作れるおもてなしにぴったりの一杯です。

口触りが、しゃりしゃりしていますね。お味は、酸味とほんのりとした甘さのハーモニーが絶妙!本格的なドリンクですね……初めての味わいです。これはなんですか?

– ルカ
これは、食前酒、ソルベットと呼ばれるものです。実は、作り方はとっても簡単なスピードメニュー。日本のコンビニでも、材料は全部簡単に手に入ります。バニラ味のアイスクリームと、レモン味のかき氷のようなシャーベットを買ってきて、合わせてミキサーにかけました。だから、しゃりしゃりした口触りがするんだよ。そこにスプマンテを加えています。

材料はありふれているけど、ちゃんと本場のドリンクなんですよ。僕は学生の頃、イタリアのレストランで働いていたんだけど、とっても大きい鍋に、たくさんのバニラアイスクリームとレモンのシャーベットとウォッカを入れて混ぜて、結婚式で出したりしていましたよ。

コンビニの、あのレモンのかき氷から、こんなに上品なドリンクが!これはおもてなしに使えそうなメニューですね!

– ルカ
ぜひ、あたたかい季節には試してみてください。じゃあさっそく、「米茄子のメダリオン」を作っていきますよ。まず米茄子を、少し厚めにスライスしています。そこに、ハムとチーズを乗せて、二枚の茄子で挟んでいきます。チーズは、とろけるチーズに加えて、ペコリーノチーズを合わせて使っているのがポイントですね。

もともとはアメリカの大きくてまん丸な品種を日本で改良したのが「米ナス」だそうです。
もともとはアメリカの大きくてまん丸な品種を日本で改良したのが「米ナス」だそうです。

本来、イタリアでこのメニューを作るときには、モッツァレラチーズと生ハムで作っています。もしくは、プロシュット・コット (加熱したプロシュート) でも大丈夫。でも、日本に来てびっくりしたんだけど、モッツァレラチーズの味が薄い!だから、ペコリーノチーズ (ヒツジの乳から作ったチーズ) の独特の風味で味をつけるために、二種類のチーズを使うようにしています。

甘いものとしょっぱいものに関しては、イタリアと日本はかなり味が違ってびっくりしますね……。甘さも塩辛さも、イタリアの方がかなり強いです。たとえば、イタリアのハムは、日本のベーコンくらい味が濃いんですよ。あと、肉の加工食品の種類が、イタリアはものすごく多いです。ハムもプロシュート・コットもサラミも、肉屋さんに行くと種類が沢山ある。たとえば、イタリアの北の方は山が多いから、鹿などの動物の肉もずいぶん食べるし、鹿やイノシシのサラミも売っていますよ。

米ナスにハムととろけるチーズとペコリーノチーズをのせ、米ナスで挟みます。
米ナスにハムととろけるチーズとペコリーノチーズをのせ、米ナスで挟みます。

 

まん丸のナスたちがかわいいですね。
まん丸のナスたちがかわいいですね。

あと、甘いものに関して言えば、イタリアのデザートを日本で作るときは、砂糖もバターも普段の半分しか使わないようにしているかな (笑)。

イタリアは、食材も味付けも、味がはっきりしているんですね!

– ルカ
全部の茄子に具を挟み終わったら、小麦粉、卵、パン粉の順番に、茄子の表と裏に丁寧に付けていきます。しっかりめに衣を付けるのがポイントだね。そうしたら、熱したサラダ油でこんがり揚げます。黄金色になるまでじっくりと揚げたいから、揚げる時間は少し長めだね。

フライと同じ要領ですね。
フライと同じ要領ですね。
パン粉を付けます。
パン粉を付けます。
油で揚げる香りが食欲をそそります。
油で揚げる香りが食欲をそそります。

結構長い時間をかけて、しっかりと揚げていくんですね!

– ルカ
そうなんです。揚げた茄子を引き上げたら、次はパスタを作っていきましょう。トマトソースをあらかじめ作ってあるから、アルデンテに茹でたパスタと和えて、あっという間に出来上がり!

おいしそうな色に揚がりました!
おいしそうな色に揚がりました!
並行して、トマトソースもつくっていたルカさん。
並行して、トマトソースもつくっていたルカさん。
ソースさえ作っておけばあとはささっと茹で上ったパスタを絡めていくだけです!
ソースさえ作っておけばあとはささっと茹で上ったパスタを絡めていくだけです!

イタリアでは食卓に全ての料理を並べない

カラッと揚がっていい香り!パスタもスピーディーにできちゃいましたね。サルーテ(乾杯)!……あれ?まずはパスタからですか?

– ルカ
そう、日本人はよくびっくりするんだけれど、イタリア料理は前菜から主菜まで食卓に一気に並べることはしないんです。一品ずつ、順番に食べていくんだ。

まずはプリモピアットから始めましょう。「プリモ (Primo)」 は第一という意味で、「ピアット (Piatto)」はお皿という意味。つまり、「第一のお皿」だね。パスタやお米料理などの、炭水化物をまず食べるんですよ。

プリモは、トマトパスタから。
プリモは、トマトパスタから。

そのあとにセコンドピアット。「セコンド (Second)」は第二と言う意味だから、「第二のお皿」。いわゆるメインディッシュのことで、魚か肉料理を指します。今日は、プリモピアットがパスタ、セコンドピアットが米茄子のメダリオンになりますね。

へえ!炭水化物から食べ始めるって、なんだか新鮮です!

– ルカ
週末の時間があるときや、レストランでは、プリモピアットの前にアンティパストを加えることが多いですね。「前 (Anti) 料理 (Pasto)」だから、かたく考える必要はないんだけれど、家での食事では、たとえばチーズ、サラミ、ハム、オリーブ、卵焼きなどを出します。レストランでは、生ハムやモッツァレラチーズ、トマトなんかが出ることが多いです。あと、メダリオンはパンと一緒に食べてもいいね。

イタリアでは、食事と一緒にどんなパンを食べているんですか?

– ルカ
それは少し難しい質問だね。同じイタリアでも、ずいぶん縦に長いから、地域によって食べるパンは違うし、同じパンでも呼び名が違ったりするんです。ローマでは、小さいパンやバラの形のパン。南イタリアでは、丸い大きいパンを食べたりします。小麦粉で出来ていないパンもあるし、黒いパン、ミルクパン、長いパン……などと、種類がいろいろあるんだ。

お皿に添えてあるサラダは、なんのドレッシングで味をつけているんですか?フレッシュな味わいですね。

おしゃれな一品です!
おしゃれな一品です!

– ルカ
イタリア語のインサラータ (サラダ) とは、塩をつけるもの、という意味。だから、新鮮なオリーブオイルと塩だけで、シンプルに味をつけているよ。使っている塩は、サーレ・グロッソというイタリアの塩。海水で作る塩だけれど、粒がとても粗いんだ。イタリア料理に欠かせないオリーブオイルは、絶対にエキストラバージンオイルを使うことにしていますね。

イタリア料理は、食材がシンプルだからこそ、質や味わいにこだわって選んでいるんですね。ルカさんはお料理上手ですが、KitchHikeの経験は長いんですか?

– ルカ
実は、まだKitchHikeは始めたばかりなんだ。でも、もともと料理を教えるのが大好きだから、イタリア語を勉強している近所の日本人の友人を招いて、イタリア語でイタリア料理を教えたりはしていましたよ。最近は、輸入食品を扱うスーパーマーケットが多いから、日本でもイタリアの食材や調味料が手に入れやすくてとってもいいね。

スーパーで買える本場イタリアの食材、すごく知りたいです!たとえばどんなものがオススメですか?

– ルカ
パスタだと、バリラというメーカーがイタリアでは有名ですね。あと、豆の缶詰もオススメだよ。日本では、あまり料理に使わないらしいけど、イタリア料理ではひよこ豆、レンズ豆などを沢山使うんだ。豆をミキサーでクリーム状にして作るスープはとっても美味しいよ。カロリーも低いし、心臓にもいいと言われていて、イタリアのお医者さんも勧める健康に良い食材ですね。

「バリラ (Barilla)」のパスタ。日本でも場所に寄ってはスーパーで取り扱っているお店はあるそうですよ!
「バリラ (Barilla)」のパスタ。日本でも場所に寄ってはスーパーで取り扱っているお店はあるそうですよ!

他にも、日本ではあまり食べなかったり、どう料理で使っていいかわからなかったりする食材を、KitchHikeで日本の友人たちに伝えられればいいなと思っていますね。僕は主夫だから、しょっちゅうスーパーマーケットに行って、簡単に手に入る食材で本格的なイタリア料理を作れないか試行錯誤しているんだ。

穏やかそうなルカさん。けれど、料理に対する思いはとても熱そうです!
穏やかそうなルカさん。けれど、料理に対する思いはとても熱そうです!

日本で暮らすことになったきっかけとは?

ルカさんは主夫なんですね!奥さまとはどのようにして出会ったんですか?

– ルカ
僕がアメリカのオハイオ州で働いているときに、職場で日本人の妻と出会いました。そのあと、夫婦でオランダのアムステルダムに住んでいたこともありますよ。小さい町で、日本人もたくさんいて、みんな英語を話せるから住みやすかったね。店が閉まるのがすごく早くて、平日は18時に閉まるから、夜、街に誰もいないのはさみしかったけど……。

グローバルなご夫婦ですね!世界のいろいろなところに住んで、日本に落ち着かれたのはどうしてですか?

– ルカ
妻が「ヨーロッパよりも日本に住みたい!」と言ったんだ。僕も小さいころよく日本のアニメを観ていたから、「OK!」と、日本に移住してきました。僕は妻より沢山の日本のアニメを観たことがあると思いますよ。マジンガーとか、キャプテン翼とか……。日本に来てから、3年半になりますね。日本では、妻がフルタイムで働いて、僕は主夫をしています。

イタリアでは、女性もばりばり働く人が多いんですか?「マンマ (お母さん) の味」というくらいだから、女性は家で料理をしているというイメージでした。

– ルカ
イタリアでも、共働きは一般的ですよ。特に、ローマやミラノなどの大都市は、東京と同じくらい物価が高いから、働く女性が多いね。ゆっくり料理をする時間がないかもしれないくらいです。僕もローマに住んでいるときは、パスタやカプレーゼ、トルテリーニ (薄く伸ばした正方形の生地に詰物をして折って指輪状にしたパスタ) のような、簡単な自炊で済ませていたなあ。

家族をとても大切にされているご様子に思わずほっこりしました。
家族をとても大切にされているご様子に思わずほっこりしました。

日本では、料理はもちろん、掃除、洗濯、長女の送り迎えなどなんでもやってますよ!保護者会も僕がちゃんと出ているけれど、まだまだ日本語は勉強中だから、スマホで全部録音してきちゃう (笑)。

奥さまが後で録音を全部聞いているんですね (笑)。

– ルカ
そう (笑)。妻は今日から産休なんです!もうすぐ二人目の子供が生まれるのもあって、一層がんばって日本語の特訓をしています。長女はもうすぐ5歳なんだけれど、イタリア語、日本語、英語を上手に話すんですよ。イタリアに行くと、僕の父や友人と話すのに不自由がないくらい。

ルカさんは英語も堪能なんですか!

– ルカ
イギリスで学んだことがあるのと、アメリカで働いていましたからね。KitchHikeでも、英語でも対応できますよ!イタリアでは子どものころから、英語かフランス語を勉強するんだけれど、イタリア人の英語は「マカロニ英語」なんて言われるくらいで、すごくイタリア訛りなんだよ。たとえば「エアポート」は「アエロポルト」……本当にイタリア語風だね (笑)。

なるほど!英語でKitchHikeをしてみたいHIKERには、ぜひルカさんを訪問してみてほしいですね。

– ルカ
「米茄子のメダリオン」以外にも、「サルティンボッカ (Saltimbocca alla Romana)」 などのメニューも出しています。薄い肉とハムをまいて、セージで味をつける、ローマスタイルのメニューだね。肉をダブルで巻いているから、かなり満足感のある一皿ですよ。ぜひ、また食べにきてね!

食後の濃いエスプレッソと小さなフルーツのデニッシュもとってもおいしかったです、どうもありがとうございました。次回は、可愛い娘さんにお会いしたいです!

エスプレッソとデニッシュの組み合わせはイタリアならではですね。
エスプレッソとデニッシュの組み合わせはイタリアならではですね。

– ルカ
次女が産まれて落ち着いたらぜひ、僕と可愛い娘たちに会いにきてね。おいしい本場のイタリア料理を振る舞います!


インタビューはこれにて終了!本場イタリア料理をここ日本で多くの人に伝えていきたいという熱心なルカさん。今日のお料理は、最初から最後までなんだか心温まる素敵な食卓でした。料理以外にも、とても家族を大切にされているルカさんの話を聞いていると、微笑ましく幸せをお裾分けしてもらったような気分になりました。

皆さんもぜひルカさんの食卓を訪ねて、幸せな時間を過ごしてみてくださいね。

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