世界の家庭料理を旅しよう!こんにちは、KitchHikeです。
KitchHikeインタビュー企画第9弾は、タレント、エンジニア、そして『プログラミングをはじめよう』の著者でもある池澤あやかさんのインタビューです。前編の ハッピーバレンタイン!池澤あやかさんのおもてなしチョコと旅の話。|KitchHikeインタビュー第9弾[前編] では、池澤さんとさわのめぐみシェフによる「簡単、美味しい、可愛い!」バレンタインチョコレートを作っていただきながら、旅や料理についてのお話を聞かせていただきました。
そして、いよいよ後編では、池澤さんのインターネット経歴やインターネットのこれからについてをたっぷり伺いました!
万国共通、性別問わず、いろんな人がターゲットになるサービス

– 池澤あやかさん (以下、敬称略)
KitchHikeは、思わず「一度は使ってみたい」と思わされるサービスです。食べ物なので、万国共通、性別問わず、いろんな人がターゲットになりますね。私はまずはインド料理を攻めてみたいな。
お〜!ありがとうございます!インド料理であれば、都内に人気のインド人COOKがいますよ。
-池澤
わ〜!それは是非行きたいです!あと……例えば、「KitchHikeツアー」みたいなので、外国人COOKの方たちと一緒にその方の故郷を旅行できたら楽しそうだなぁなんて思います。
お〜!なるほど!そういえば、KitchHikeを使っているユーザーさんの中で、海外旅行前、現地に行く前に外国人COOKを訪ねる人がいますね。
– 池澤
あ〜、出発前にその国の方と食事をしながら現地情報を収集ってことですね。それいいですね。なんといっても現地の方が知る場所と、観光ブックにのっている場所は違いますからね。
そうですよね。それに「食事」はツールみたいなイメージのものだと思っているんです。人と人が仲良くなるのが一番大事で、そのためには、一緒にご飯を食べるのがいいと思っているんです。
– 池澤
たしかにご飯を一緒に食べると、絆が深まりますよね。あ、あと「KitchHikeフェス」みたいな形で、色々な国の人の料理を一度に試食できるようなイベントがあったら、行ってみたいな!
初めてハマったインターネットは「フラッシュ倉庫」
池澤さんは、インターネットはどのあたりの時代から使っていたんですか?
– 池澤
そうですね、小学生くらいです。小学生の頃のパソコンの授業で、当時流行っていた「フラッシュ倉庫」をずっと見ていたのを思い出しました。
わ〜!!それは結構昔ですね (笑)。「フラッシュ倉庫」は流行りましたよね。
※ フラッシュ倉庫で検索すると懐かしいUIのサイトがいくつかヒットします。
– 池澤
当時は回線もパソコンの起動も遅かったですよね。Windows 98だったと思うんですけど、フラッシュ倉庫を見るまでに5分くらいかかって (笑)。
Windows 98?かなり早い時期からだったんですね。
– 池澤
当時流行っていた「ポップアップウィンドウが止まらない!」みたいなウイルスも、一通り経験しましたよ。
あ〜。昔よくありましたね。パソコンが壊れたんじゃないかって心配になりましたよね (笑)。
– 池澤
はい (笑)。小学生のころに「フラッシュ倉庫」、中学高校のころには「mixi」「前略プロフィール」「魔法のiらんど」が流行っていたような記憶があります。あと、「リアルタイム日記」略して「リアル」と呼んでたのですが、これも流行っていましたね。日々のつぶやきを書いていくミニブログのようなものなのですが、今でいうとTwitterみたいな感じです。Twitter出てきた時思いましたもん、大人たちは「Twitterって新しい!」とか言ってたけど、「これリアルと一緒じゃん」って(笑)。
そういえば、ここ数年で記憶媒体もすごく変わりましたけど、私も中学の頃まではフロッピーが現役でした。中学の卒論はフロッピーで提出しました。
フロッピー、ありましたね (笑)。フロッピーの時代は長かったんですよね。フロッピーの次は、MOディスクで、そのあとがCD-ROMですよね。
– 池澤
MOディスクは知らないです (笑)。MOは使わずにUSBに行きました。
MOディスクは普及したんですが、すぐにUSBメモリに置き換わってしまって。
– 池澤
時代の進歩は早いですね。しかし、昔は昔でよかったですけどね。昔のウイルスなんか愛らしかったですもん。だいたいはただのイタズラでしたからね。
一同 笑
出力メディアが「食べ物」に!? インターネットで感覚を送れる世界
そんな変遷を辿ってきたインターネットですが、今後はどうなると思いますか?
– 池澤
「テキスト」→「写真」→「動画」という風にきたので、これからはもっと「リアル」に近づいて行くんじゃないかと思っています。
例えば……?「匂い」とか?
– 池澤
匂いを送受信できたら面白いですよね。そういえば、私の研究室の教授が感触の送受信の研究をしていました。紙コップにビー玉をガラガラガラ〜っと入れると、そのガラガラガラ〜という感覚を別のコップで再現できるというような。
なるほど。そうゆう、知覚、音、映像とかがリアルに繋がるとかですかね。
– 池澤
出力メディアももっと多様化していいですよね。今って主にディスプレイにアウトプットされますけど、例えば出力メディアが「食べ物」になってもいいんじゃないかなって思うんです。
おーーーー!!
– 池澤
食べ物をデバイスにつないだら、味をつけられるみたいな。
3Dプリンターの延長で、食べ物ができてもいいんじゃないかと。
– 池澤
そういう方向もありますよね。チョコレートで出力する3Dプリンターもありますもんね。最近はIoT、IoTとメディアで騒がれていますけど、家電だけじゃなくて食べ物もつながったらもっと面白そうですよね。
今後はインターネットを意識しないで使う人が増えてくる
最近、インターネットにおける人口分布のデータを調べてみたんです。そこで面白いことを発見しました。一部の人たちのみがインターネットを使っているような90年代が終わり、2000年代を経由して、だれもがインターネットを使うようになった2010年代、顕著になってきた格差があるんです。
– 池澤
うーん、格差。使っている人、使っていない人という意味ですか?
そうです。国の調査によると地域格差が顕著になってきているそうなんです。例えば、東京の高校ではほぼ100%インターネットを使っているけれど、地方では使っていない人も多い、といったようなことが起きているんです。
– 池澤
回線速度が遅いからですかね?祖父母の家がそんなところなのですが。
なるほど。確かに、電波や回線速度といった、インフラの差がありそうですね。
– 池澤
ちなみに私の中高生の頃は、電波すら入りませんでした。
そうですか〜……。インフラが改善されれば、地域格差は解消されるもんですかね。
– 池澤
多少はそうだと思いますけれど、その地域に住んでいる世代にも偏りがありそうですよね。高齢者ばかりの地域はまだまだインターネット格差が終わらなそう。
祖父母にLINE用にiPadをプレゼントしたのですが、やっぱりあんまり使ってくれなかったです。
なるほど。そもそもこの地域格差というのは埋めた方がいいものでしょうか?。
– 池澤
どうなんでしょう……。わたしはこれからはインターネットがもっと「リアル」な方向へ進んでいくんじゃないかと思うんです。
つまり、今インターネットを使っていない人たちも、数年後には、使ってくるということですか?
– 池澤
というより、インターネットの方がどんどん生活に溶け込んでしまうと思うんです。例えば、メガネやアクセサリなどのウェアラブルが今すごく流行っていますよね。こういうものを身につけるだけで、図らずもインターネットにつながってしまいますよね。
なるほどー!たしかに、それでインターネットを意識せずに使うかもしれないですね。
– 池澤
今も、おばあちゃんを見守る給湯ポッドが売られていたりしますしね(笑)。
そうですよね。別にインターネットは意識せずに、けれどその技術のメリットを享受しているみたいな世界があると。
– 池澤
子どものかばんにタグ型デバイスをつけておいて、子どもが外出始めたら、お母さんのスマホにお知らせが来るとか。「お子さんが、2時間ぐらい出かけています」みたいな感じで。こんな商品もう発売されてそうですね。
理想は「半学半教」の教え合うコミュニティ
著書の「プログラミングをはじめよう」があるように、池澤さんは、プログラミングの普及活動にご興味があるんですか?
– 池澤
普及活動にはあまり興味がないですが、コミュニティには興味があります。プログラムを学びたい人が集まり、自然とコミュニティが作られていく。興味で形成されるコミュニティって面白いなと。KitchHikeもCOOKとHIKERからなるコミュニティですよね。
それは興味ある話です。もっと詳しくお聞かせください。
– 池澤
私はひとりでやるより、こういったコミュニティに飛び込んで、みんなでやったほうが楽しいと思うタイプなんです。プログラミングなんかは、みんなでやったほうが習得も早い気がします。みんなが見てる手前堂々とサボれませんし、誰かに教えると逆に学ぶことも多いです!
教えることが最大のインプットだと言われていますもんね。
– 池澤
だからプログラマーはよくコミュニティ形成をするんだと思います。
コミュニティ活動に興味があるし、実践もされているんですね。
-池澤
そうですね。コミュニティいいですよね。KitchHikeも「世界の家庭料理を旅しよう!」という理念のもとに集まったコミュニティですよね。
そうですね。KitchHikeもマッチングサービスと言いつつ、コミュニティですからね。
最近はコミュニティ指向が顕著で、あるCOOKを訪ねたHIKERが、自分もCOOKをやってみたくなって、やがてCOOKになり、1人が2人、そしてそのCOOK同士が別のCOOKの食卓へ行こうかとなり、どんどん繋がっていく。それが、オンライン上じゃなくて、オフラインで起きているんですよね。KitchHikeは、人と人が出会うものなので、会ったら、それは絶対いい感じになっちゃうんです (笑)。コミュニティって面白いなと思います。
無理矢理続ける環境を作ってプログラミングを覚えました

プログラミングを覚えたきっかけを教えてください。
– 池澤
プログラミングはWebサイト制作から入りました。当時流行っていたスマホサイトのカスタマイズでHTMLを学んで、そこからCSS、JavaScriptと徐々にステップアップしていきました。プログラミングを本格的にはじめたのは、プログラミングが必須の大学の研究室に入ってからです。そこの研究室でつくってたプロダクトが面白かったというだけで、特に何も考えずにその研究室に決めました (笑)。
研究室に入るきっかけとなったプロダクトが「TagCandy」というものです。棒つきキャンディの先端にとりつけると、キャンディーにいろいろな食感を付与することができるというかなり面白い味覚デバイスなんです。
こんな面白いものがつくりたいと思って研究室入っただけなので、もちろん当時はプログラミングなんて全然書けませんでした。
それである日プログラミングできない自分に危機感を覚えて、大学2年のときに島根県で行われていたプログラミングの合宿に行ったんです。そこで初めてチームを組んで、プログラミングでゲームをつくる体験をしました。「シマネマン」というゲームで、いわゆるパックマンのパクリゲームです(笑)。

(笑)。合宿はRuby発祥の地、島根で行われたんですね。
– 池澤
はい。計2回ほど参加しました。1回目は「シマネマン」、2回目は「古墳をつくろう」というゲームを作りました。「古墳をつくろう」は、農民を弱らせて捕まえて、古墳をつくらせる……というまったくヒドいゲームです (苦笑)。
それは、池澤さんが考えられたんですか (笑)?
– 池澤
いいえ。チームで考えました。
この合宿のように、プログラミングをしなきゃいけない環境に身を置くことで、スキルを身につけられたんですね。
– 池澤
Ruby合宿もそうですが、他にも、大学の先輩が主催していたHTML・CSSの勉強会に出たり、Web制作会社でアルバイトをしたりもしていました。
その時は、プログラミングのスキルはどれくらいで入られたんでしょうか?
– 池澤
アルバイト採用課題が、とあるWebサイトを一から自分で組んでみるというもので、私自身のスキルもHTMLとCSSでおおまかにサイトを組めるといったレベルでした。
ということは、勉強会やアルバイトを経て、今があると。
– 池澤
はい。習得したいものがあるときは、それが身につく環境を作りだすというのは意識しています。またアルバイトの場合ですと、身近でプロのワザを見れてよかったと思います。生活の糧にもなりますしね (笑)。
なるほど。1人より、みんなでやったほうが楽しいというところにも繋がるんですね。学生のうちに高いレベルを身近で感じることは、その後の成長に大きく影響すると思います。良い事だらけですね!
インタビューはここまで!
インターネットの世界を楽しそうに話す池澤さん。専門的な話のはずが、不思議と親しみやすく感じたのが印象的でした。テクノロジーについて話すときの表情は技術好きなエンジニアそのもの。自然に魅力的な顔を見せるのは、彼女が女優だからではなく、心の底から好きだからでしょう。
プログラミングやインターネットの話は専門用語が多く、慣れない人には難しく感じてしまいます。テクノロジーを親しみやすく発信する。それは、インターネットが変化していく中、第一線で活動し続けている彼女だからこそできることかもしれません。今後の活動も応援しています!

お知らせ
KitchHikeではアルバイトを募集しています。
池澤さんの学生時代のように、アルバイトでプログラミングを学びたい、独学より誰かと一緒に学びたい、アイデアを自分の手で実現したい、という学生さんやアルバイトご希望の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡くださいね!
