飲みたいビールは自分でつくろう!HOPPIN’ GARAGE ビール第1弾『探検するハニーエール』乾杯レポート

こんにちは、キッチハイク編集部のAyumiです。

『HOPPIN’ GARAGE』は、「こんなビール、できたらいいな」というビール好きの空想を実現し、
特別なビールを仲間とシェアできるサービスです。“ビールをつくりたい!”という熱い想いを持った人が、応募したビール企画が選ばれると、なんとサッポロビールのブリュワー(醸造責任者)と一緒にオリジナルビールをつくれてしまうんです!完成したビールは、キッチハイクのお披露目Pop-Upイベントで飲むことができます。

自分が飲みたいビールをつくれる!という夢のようなプロジェクト第1弾のビールを、キッチハイク共同代表の山本雅也が手がけました。『探検するハニーエール』と名付けたビールに、どんなストーリーと想いを込めたのか?

ビール好きが集まった、お披露目Pop-Upで行われたトークショーの模様をレポートします。きっと、『HOPPIN’ GARAGE』ビールを飲みたくなる!つくりたくなるはず!

【トークショー登場人物(左から)】

▼ サッポロビール株式会社 マーケティング開発部マネージャー 土代裕也さん
『HOPPIN’ GARAGE』 の仕掛け人

▼ キッチハイク共同代表 山本雅也さん
『HOPPIN’ GARAGE』 第1弾のビールをつくった人

▼ スマイルズ代表 遠山正道さん
『HOPPIN’ GARAGE』 第2弾のビールをつくった人

▼ サッポロビール株式会社 ブリュワー 成瀬史子さん
『HOPPIN’ GARAGE』 オリジナルビールを二人三脚でつくってくれる人

***

旅の途中で出会った、忘れられないビールがある

50人が集まったお披露目Pop-Upは、「ホッピンガレージ! 乾杯!」でスタート。

『探検するハニーエール』はびっくりするほど甘いのにしっかりビールの味がして、一口飲むたびに上品な甘さが沁み渡るゆっくり味わって飲みたいビールでした。会場からは「おいしい!」の声が聞こえてきます。さて、この『探検するハニーエール』はどうやって出来上がったのでしょうか……?

***

土代:『HOPPIN’ GARAGE』はビールの企画書を出して終わりではなく、サッポロビールの焼津工場に行ってブリュワーと一緒につくります。今回、山本さんと一緒にハニーエールをつくった成瀬さん、感想を聞かせてください。

成瀬:普通のビールではあり得ない甘さなので、正直、ハチミツを選ぶときやハチミツの添加量を決めるときなど、ビールづくりのあらゆる過程でここまで甘くしていいのか戸惑いました。ただ、仕上がったものはとても美味しい。わたし自身、こんな甘いビールもありなのだなと驚いています。

土代:山本さんが今回、ハニーエールにした理由はなんですか?

山本:キッチハイクの創業時に、世界各国の一般家庭のごはんを食べ歩いたのですが、その旅の途中、ラトビアの首都リガでハニーエールに出会いました。これが、とにかくおいしかった! 飲んだ瞬間、こんなビールが世の中に存在するのかと衝撃を受けたんです。僕の中で忘れられないビールとして刻まれて、『HOPPIN’ GARAGE』のプロジェクトが始まったとき、真っ先にこのハニーエールが思い浮かびました。

自分が本当に美味しいと思えるビールを、自分でつくる

山本:実は、僕の“勝手にブリュワー歴”はけっこう長くて、帰国してから自宅の押入れでビールまがいの謎の麦汁をつくっていました(笑) アルコール度数1%以上の醸造は法律で固く禁じられていますし、つくる過程を雑誌に連載させてもらっていましたので、もちろんアルコール度数1%未満を厳守して。

上面発酵酵母は、18〜26℃で発酵が進むので、夏は室内が暑すぎて異常発酵したり、冬はヒーターで温めるのに苦労したり、試行錯誤の連続でした。あの時から、「自分でビールをつくる」という世界の入り口に立っていたのかもしれません。当時つくっていたのは、謎の麦汁でしたが、それでもとにかく楽しくて。なによりも、自由を感じました。「まだここに手付かずの世界があったんだ」というような感覚でした。

レシピのアイデアは止まらず、とにかく苦くつくってみたくてゴーヤをすりおろして入れたり(笑)、友だちの誕生日にプレゼントしたりしていました。

土代:そんな経験を経て、今回『HOPPIN’ GARAGE』でビールをつくったのですね。

山本:押入れからサッポロビールの工場へ……“闇から光”です(笑)。ブリュワーの成瀬さんと世界各国のハチミツを試したり、アルコール度数・色を検討したり、スパイスを入れるかどうかも最後まで悩みました。最終的には、ハチミツは、かなり個性が強いアルゼンチン産のレモンの花から採れたハニーを使うことになりました。

自分の味覚、それからラトビアの記憶を頼りに、手探りで少しずつ完成形に近付いていく感覚は、本当に最高です。できあがった「探検するハニーエール」を飲んで、そうか、ゴールはこれだったんだ!と感動してしまいました。

土代:僕たちメーカーのビールづくりは、マーケティングの結果で多くの人が求めているビールをつくるのがセオリーですが、『HOPPIN’ GARAGE』に関しては、一人の情熱からビールをつくるというのが大きなチャレンジです。

山本:つくってみて強く思ったのは、「自分はこれが飲みたい!」というビールをつくれるのは夢のようだということ。もしかしたら、受け入れられないかもしれないけど、人の顔をうかがうものづくりが増えている中で、自分に由来したものを、表現の主体としてビールをつくる世界が可能になったのだなと感じました。

「探検するハニーエール」のサンプルデザインボトル。キッチハイク公式キャラクター「もぐもぐ」がラベルに登場しています。ハニーにちなんで、ハニーディップを首掛けしているのもカワイイですね。
見た目と色づかいを大切にしながら、きちんと野菜も摂れるように配慮された料理たち。会場の皆さん、何度もおかわりをしていました!
ハニーエールに合うように、隠し味にハチミツを使ったフィンガーフード。キッチハイクで人気のCOOK『がじゅま~る』がつくってくれました。香辛料を使ったしっかりした味付けで、ビールが止まらない美味しさです。

 

遠山正道さんの、“右脳的”ビールのつくり方

『HOPPIN’ GARAGE』第2弾のビールは、Soup Stock TokyoやPASS THE BATONなどを展開する株式会社スマイルズ代表取締役社長・遠山正道さんが手がけました。アートコレクターとしても知られる遠山さんのビールは、とんでもない企画書からスタートしたそうです。

***

土代:『HOPPIN’ GARAGE』には、ビール企画の応募フォーマットがあるのですが、それをすっ飛ばして、なんとナレーションの音声企画書を送ってきたのが遠山さんです。(会場爆笑)

遠山:私のつくったビールが市場に出回って、CMになった時のナレーションを企画書として送りました。イメージは、60年代のヨーロッパの田舎で、アラン・ドロンが囁くように語っている。

成瀬これを聞いたときは、ここからどうやって具現化していこうか……なかなか難しいぞと思いました(笑)。

遠山私のビールのコンセプトは『一発で仕留める』です。最近は、ビールはガブガブ飲めばいいというものではないと感じているし、若い人はお酒をあまり飲まなくなっている。2次会に行かず、1次会で帰る人も多いでしょう? だから、ビールの爽快感はありつつ、カクテルのような飲み方もできる “一杯目の一発でOK” というビールをつくろうと思ったの。

名前は『グレジュビール』。グレジュというのは何の意味かはヒミツです。グレジュという言葉自身、、口に出すとちょっと照れくさい感じが良いなと思って。語感の座りが悪いというか、言って照れ臭い感じが現代の価値観を超える可能性があるのではないかと思って名付けました。

成瀬:遠山さんのコンセプトにされた “あるもの” を単純にビールを混ぜるのではなく、酵母が発酵する前に麦汁と混ぜて発酵させています。ホップの苦味とは違う、独特の苦味が消えずに残って、深い味わいのビールができました。

遠山:私の中では、“シトラス家”と“モルトファミリー”の婚姻というイメージです。血脈が繋がったことで、地下水からすうっとシトラスが湧き上がってくるような微かな酸味と苦味があるビールに仕上がりました。

ビールは、私たちの生活にあまりにも当たり前に、“大河”のようにある。その川に小さな舟で漕ぎ出し、上流に向かって逆らっていくようなもの。そこから新しい苦味や旨味が立ち上がり、これまでになかったようなビールが生まれているところです。

***

こんな右脳的な過程を経た遠山さんの『グレジュビール』は、11月29日(木)にお披露目Pop-Upを開催予定!現在、参加者募集中ですので、ぜひエントリーしてみてくださいね。

ビールの未来は、きっと明るい!

土代:大手4社に先駆けて、一般の方と組んでビールづくりをはじめた『HOPPIN’ GARAGE』。これからチャレンジが続くのですが、最後にビールの未来について、山本さん・遠山さんのご意見を聞かせてください。

山本:まず、ビールは料理っぽくなると思います。一般の人でもビールがつくれるという視点が広まると、ビールレシピのシェアが始まり、いわゆるビールの民主化が起こると思うんです。さまざまなレシピがさらなるアイデアを呼び、これまでなかったビールが誕生することでしょう。

もう一つ、ビールはコミュニティになると思います。ビール片手に乾杯すると、もう他人ではないですよね。ビールには、コミュニティ活性のスピード感があると思います。

盃を交わす、といった言葉があるように、大昔から人類は分割不可能な液体や気体を共有することで、絆を生み出してきた。ビールは、人のつながりをつくるツールとして、最高ですね。

遠山:2020年の東京オリンピック以降、もう一度『ビールジョッキ文化』が戻ってくる気がします。情報がどんどん個別化していくなかで、もう一度リアルに集まってガチッとジョッキを合わせるという行動が流行ると思う。『ジョッキを合わせる』という行動にネーミングがつく時代が、来るかもしれません。

***

選ばれた人が自分の飲みたいビールをつくれるだけでなく、そのビールをみんなにふるまって乾杯するという“新しいビールの輪”が広げる『HOPPIN’ GARAGE』。

価格や“限定醸造”のコピーで選ぶ、今までのビールの価値観から、自分でビールをつくるなら?という発想の転換をしてみたら、毎日の暮らしは、もっと豊かなものになるに違いありません。

『HOPPIN’ GARAGE』第3弾、第4弾のビールはすでに準備中。第5弾のビールアイデア募集は、2018年11月12日(月)からスタート!自分ならどんなビールをつくるだろう……? そんなふうに考えている時間も、きっと楽しめるはずです!ぜひ応募してみましょう!