「昔々、ハワイキという場所から4人の兄弟がアオラキという島をみつけてね……」
神話の冒頭から、今回ご紹介させてもらうのは、ニュージーランド!ほっこりとする家庭料理と大自然の中で作られるクラフトビールです。
夜更けの太平洋上。あたりの明かりは、ぽっかりとした黒い夜に呑み込まれてしまうような、夜。パチパチと生木がささくれ、はじけ、橙色の火の粉が舞飛び、波の音を閉じ込めるような静寂。ミルキーウェイも南十字星もこぼれそうな満面の星空のもと、海中の星と呼ばれる夜光虫と夜闇の太平洋と戯れた夜更け。
マオリ創世記の昔話を聴きながら、岸に上がって焚火のまえであたたまりましょう。異国の言葉で紡がれる異国の物語。素敵なお話はお酒のなによりのお供。
常温のビールがあたたかく感じる、初秋のニュージーランド。底冷えでなんとなく足取り重くなる季節に、軽妙なステップを踏みたくなるヒップなビールをご紹介します。
「Venusian Pale Ale」の略称・VPAを冠したクラフトビール。
160年前、美の女神・ヴィーナスの上に降り注いだよ!とボトルメッセージは、やや強気な風体だけれど、凛とした佇まいが漂っているようで不思議。ホビットを生んだ神話の国らしくパッケージイラストには、ここではないどこかを彷彿させる澄み切ったロイヤルブルーと飛行船。不時着した砂漠なんかに、ポツリとこの瓶が埋もれていたら、救いの護身符がわりにしてしまいそう。
と、言いながらもそのすぐ下に、”not actually” という表記があるのにクスリ。こういう遊び心、酒には欠かせません。
夜の海辺で、冷えたからだをぽぽ、っと温めてくれるフレーバー。口に含むと漂ってくる柑橘やハーブの爽やかさ。その正体は、焙煎したコリアンダーとレモングラス、ケフィアライム、グレープフルーツ!
華やかだけれど足取り軽い、ふわっとした薫りが鼻孔も胃袋もこしょこしょくすぐります。すこしピリ、とも刺激するようなアクセントはコリアンダーでしょうか。じゅわっと身体の芯をほぐしてくれるようなやさしさも合わせ持っていて、付き合いたての恋人さんみたい。
まだ、お互い気を遣い合って、しっかり優しい人……。嫌味が無いウィットの利いた出で立ちに、大きな包容力、そこここに見せるピリっと垣間見せる色気あるいつもと違う雰囲気。
これは、「社交界の申し子」の異名をもっていても異論はなし!こんなビール片手にニュージーランドの神話を語る夜は生涯忘れることのできない夜になるでしょう!
KitchHikeの人気COOKウシュカさんに聞いてみました!
ウシュカさんのコメント
「ビーナスが作ったビールなんてそうそう飲む機会はありませんよ?これはニュージーランドの首都、ウェリントンで今1番勢いのある醸造所が作る最高の地ビールなの。琥珀色で軽めの炭酸のこのビールは、柑橘系の心地よい口当たりと苦味がほどよいバランスで出来てるわ。
スパイシーなタイやベトナム料理、日本の焼き鳥には最高ね。私は晴れた午後、公園で飲むのが大好き。でも1つだけ、とっても強いビールだから、飲み過ぎには気をつけてね。東京でもVPAを飲めるなんて本当に幸せ!」
ウシュカさんが作るビールにぴったりのニュージーランド家庭料理!
ベーコン・エッグパイとクスクス
不動のニュージーランドの国民食、ベーコン・エッグパイ。朝食や夕食、おやつなど時間を選ばずにぱくつくのだそう。天気の良い日にはバスケット一杯に詰め込んで、家族や友達を連れてピクニックに行くのだとか!気持ち良さそう!
ぽかぽか陽気の下で、みんなで囲みながら食べるパイはこの上なく格別美味しいはず。作り方もシンプルで、ベーコンと目玉焼きをパイに詰めて、焼き上がれば出来上がり!ウシュカさんオリジナルレシピではブルサン・ハーブチーズを使うのだそう。
アンザックビスケット
小麦粉やオートミール、バターで作るアンザック・ビスケットは、ザクザクした食感がワイルド。もともとはWW1の時に作られたお菓子で、兵隊が遠征する時に持って行ったものが発祥なんだそう。
「アンザック=ANZAC」も、「Australian and New Zealand Army Corps=オーストラリア・ニュージーランド連合軍」の略とのこと。栄養補給にはもちろん、とても日持ちするように作られているので、タッパーで保管しておけばそのまま一ヶ月は持つのだとか。
トライフル
ニュージーランドのデザート・トライフルはとてもカラフル!ポップなアラザンやたっぷりのアーモンドと生クリームとカスタードをのっけても、ついつい食べ過ぎちゃう魔法のデザート。
実際に食べてみた感想
どの手料理も本当にほっこりとする優しい味!とくにベーコンエッグパイは、そのまま緑のある公園に持っていって、陽射しの下で食べてみたくなる。アンザックビスケットにまつわるお話も聴けて関心してしまいました。ひとくち食べて、ちょっと強くなった気がします。デザートのトライフルも甘すぎないすっきりとした口当たりの良さ。これにビールがあれば最高の食卓ですね。ニュージーランドの家庭料理は、どれもホッとする逸品でした。
Ushkaさんは気取りがなく朗らかで、とてもチャーミングな女性。食べること、飲むことが大好き!と意気投合して、おいしいご飯とお酒をお供に、にぎやかにおしゃべりに花を咲かせました。
是非、ウシュカさんの食卓を訪ねてみてくださいね!
参宮橋に住むCOOKウシュカさんの動画
Information
ウシュカさんの家庭料理を食べに行ってみよう!
- この記事のメニュー: ベーコンエッグ・パイとアンザックビスケット
- COOKプロフィール: ニュージーランド人のウシュカさん
- 値段: 約3,000円 (25US$)
- 場所: 参宮橋駅 (小田急線) より徒歩3分
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