世界一辛いと言われるブータン家庭料理 “エマダツィ”(エマダチ)を作ってみました。衝撃的な辛さの向こう側に待ち受けていたものとは?

[辛さレベル ★★★★★]

唐辛子の甘さを!みなさんに知ってほしいんです!

お久しぶりです。キッチハイク編集部日々のご飯に刺激を!党、コイズミです。

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早速本日の一枚、パチリ。

和風だしのお煮物に、蟹入り茶碗蒸しにヘルシーな雑穀米にうふふ。

・・・なんてことはなく、今日のお昼ご飯は「世界一辛い」と言われるブータン料理

上からパクシャパ、左はエマダツィもしくはエマダチとも、右は黒米(本来は赤米)。

なんのこっちゃ、ブータン料理とはなんぞ、はてな。 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

勘の言い方ならお気づきかもしれません。

1枚目と2枚目の画像を見比べた時に。

このてんこもりの唐辛子が。

どこに、鎮座しているかを。

 

可愛らしく、彩りをそえている彼ら。

生唐辛子の太太とした千切りやら輪切りやらが。

あたかも「わたしは野菜ですよ」と、なんてことなくおさまっている姿を。

日本では、あたかも野菜かのように、振る舞って見えるかもしれない姿を。

が、しかし、ブータンでは、唐辛子はまさに野菜なのです。

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中央アジアに位置するブータンでは、

国土の実に50%以上が高地地帯。

一般の野菜を栽培するにはすこしばかり、条件が厳しい。

それでも、人間野菜は必要不可欠だよね、どうしよう・・・。

そんなとき、見つけてしまうのです。

強く生命力にたぎる、つやつやな唐辛子を。

ピーマンやパプリカに似たナス科のこいつを。

一口かじれば、あっちちぽっぽぽと喉元から、胃袋から、体中から

燃えたぎる熱とちからがみなぎってくる・・・!

野菜を食べなきゃいけないから、食べていたはずなのに。

いつの間にか、唐辛子が食べたくって食べるようになっちゃいました。

・・・ブータンの方々が愛おしい。

 

そんな愛おしいブータンの方々をたった一品でご飯3杯はおかわりさせちゃう噂の罪なあいつ!ご飯のお供にピッタリなあいつ!

そんなあいつをそろそろ食べたくなってはいませんか?

 

[エマダツィのレシピ](エマダチ)

材料(2人分)

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・プロセスチーズ 1パック(☆雪印)

・生唐辛子(赤・青好みで) 各5本ずつ

・タマネギ 1玉

・乾燥唐辛子 少々

・生姜 ひとかけ

・塩 少々

・サラダ油 大さじ1

 

⑴生唐辛子を縦に切る。

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唐辛子を辱めているかのようなこの絵面がすごく、好きでした。

 

⑵水・サラダ油・塩・タマネギ・乾燥唐辛子・チーズを鍋に入れ、弱火で煮る。

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⑶チーズが溶けてきたら、生唐辛子を加えて更に10分ほど煮る。

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ブータン料理は具材を何故か、混ぜちゃいけないそうです。

チーズ焦げそう焦げそうと気持ちジリジリ。

切る → 煮る → 放置(!)のみ。

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完成!

 

お鍋のふたを開ける時に、ふわっとひろがるどことなく甘やかしい匂い。

熱を加えられて、くたっとたよりない赤と緑。

もたっとしたチーズの重さのなかで、暴力的な辛さの元はどこにいっちゃったんだろう。

 

できあがったエマダツィはそんな風に、予想していたのとなんだか違う感じなのです。

あれれ、わたし、なにかしちゃったかな・・・。

そんな不安を抱えながら、兎にも角にも実食!!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA くちをあけて、ぱくり。

もぐもぐしてみる。

口に入れてから既に、勝負のゴングが鳴っていたのを編集部は知らない。

 

「・・・ぅっ」

あちらで、にわかに、くぐもった声。

そちらには、タコも真っ青な真っ赤っかな顔。

こちらでは、もぐもぐと無心で口を動かし続ける人。

自身も、ただ黙り込むうちのひとり。

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ちなみに、辛さを押さえようとする時にはお水はよろしくありません。

みなさん、激辛料理に挑戦する時は、懐にお砂糖を忍ばせましょう。

辛さの計測値には「スコヴィル値」というのがあるのですが、これはなんと主観に依る計測と言うことでこの辛さを数値化して皆さんにお伝えできないのは非常に残念なことです・・・。

 

ただ、メモしていただきたい一言があります。

「辛さの後に、唐辛子の本来の甘みを感じる瞬間、わたしたちはそれを唐辛子ハイと呼ぶのだ」。

 

エマダツィを美味しく食べるには段階があることにわたしたちは気づきます。

■第1段階 その辛さに仰天する(生体的になにか失う)

■第2段階 辛さに身体が慣れてくる(ネオ日本人としての舌への挑戦)

■第3段階 辛さの奥に隠れているシャイなあいつに出会う(開いてしまった扉はもう閉じることは出来ない)

 

シャイなあいつの正体は、甘さ。

生の野菜、にんじんやきゃべつ、きゅうりなんかにも感じる、

あのみずみずしい全力で身体が欲してしまうような、あの天然な甘さ。

肉厚な唐辛子という野菜の甘さを感じることが出来るようになった時には、

もういらっしゃいませ、カプサイシン王国。

甘さと辛さがお互いを邪魔し合わないよう、それでいて引き立て合う、

奥ゆかしい味覚への誘惑がそこに待っているのです。

 

この世界は、その扉をあける勇気がある人にしか

踏み込めない領域かもしれません・・・。

そして、その領域にいらっしゃてくれる人とは是非手を取り合って、

よくやったと肩を組んで呑みかわしたい・・・!

そんな一品・エマダツィ、今夜のおかずにどうでしょう?

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唐辛子一家。つやつやピカピカしてるのも、ちょっと頼りなくくたっとしてぼこぼこしてるのも、

太陽と目一杯勝負してサバイバーとして残ったのも。

もう、愛おしさでいっぱいになってしまう。

(ライター/小泉悠莉亜)

(写真/藤枝梢)

協力

▶ガテモタブン(代々木上原)

http://www.gatemotabum.com/

日本で唯一のブータン料理専門店。

可愛らしいアジアの赤・黄色・ピンク・青な内装と外装。

本場のブータン料理を忠実且つ日本人の舌に合いやすいよう工夫した料理は、うまみの扉を何枚も開けてしまいそう!

気さくなご主人と家庭的な雰囲気に足繁く通いたくなる一店です。

今回の取材に当たって、レシピやブータンの文化、加えてブータン直輸入の唐辛子も頂いてしまいました・・・!

その優しさをここに、改めて。ありがとうございます。

 

▶韓流市場さん(新大久保)

http://www.wowsokb.jp/kanryuichiba

わたしも作ってみたい!という方に是非。

材料の生唐辛子は、こちらの店舗で購入することができます。

 

▶世界家庭料理の旅

http://meetsmeals.com/

職業や年齢を国籍を越えて、「おいしい!」で交流する喜びから。

会社を辞め、世界各地からごはんと食卓を囲む人たち、家庭料理にまつわるあれこれを絵とレポートで届けてくださるごはん仲間です。

織田さんの描かれるイラストはどこかレトロで、愛くるしい人間味がじんじん伝わってくるのです。

フリーペーパーもありますので、みなさん是非お手に取ってみてください。

▶Discover the world through kitchens! – https://kitchhike.com/

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